<第24回目:’11年3月30日>

cam.pyを使う


1.はじめに
前々回、ガーバデータファイルの解析を行いました。linuxで使われているガーバデータを読み込み工具半径の補正後の輪郭抽出を行いGコードやdxfに変換するpythonで書かれたフリーソフト”cam.py”があることが分かりました。変換プログラムを自力で作成しようと工具半径の補正アルゴリズムを考えていた所だったのですが、簡単に使えるフリーのソフトが既にありました。早速、FreeBSDでも使ってみました。ちなみに工具半径の補正アルゴリズムはGコードを自作CNCの内部形式に変換するプログラムを作る時に使えるたるため無駄にはなりません。


2.準備
ネットでcam.pyを検索して適当な所からダウンロードします。そのまま実行するとTkinterImageDrawライフラリが無いとエラーがでます。この足りないライブラリをportsからインストールして準備完了です。


3.工具半径の指定
前々回のテストでも使用したxilinx用の書込み基板のハンダ面側のガーバをcam.pyで読み込んでみます。パターンは予めベタアースを除去しておく必要があります。また、サフィックスをphoからcmpに変えておく必要があります。下記のようにガーバが読み込めました。通常変換先はGコードにするのですが、現在自作CNCのシステムではGコードを読むことができないため出力ファイルはdxfにします。その後、丁度良さそうな工具半径を指定します。ここでは0.03mmにしました。右のようにデータを拡大して狭い所でもパスが繋がらないように工具半径を設定します。その後、ツールパスをdxfで書き出します。



4.qcadで読み込み
変換されたツールパスをqcadで 読み込みます。まず寸法を調べます。ここではDIP部品の7ピン間を測ってみます。2.4mmになっています。6x2.54=15.24なので6.35倍 に拡大する必要があります。qcadの拡大機能を使って6.35倍に拡大します。確認のために再度寸法を測ります。7ピン間は15.24mmになりまし た。



5.dxf2zcamで内部形式に変換
レ イヤと原点を指定してdxfで再度書き出し後、dxf2zcamプログラムで内部形式用に変換したのですが、変換プログラムに不具合があってコアダンプし たり、複数のツールパスができたりしましたがdxf2zcamプログラムを修正して正常に変換できるようになりました(笑)。下はxmodrvから呼ばれ るgnuplotで変換データを表示したところです。早速、次回は切削したいと思ったのですが、その前にドリルファイル(Gコード)も変換して穴あけも同時に行いたいです。