ケントエンジンの自作ECU化
インジェクタの駆動電圧をオシロで調べてみると、20と40は75%のON時間になっているみたいです。ドライバ基板のCPLDをチェックしてみます。来週再度テストします。
6月30日
ECU用のケースです。タカチのケースで両側面がヒートシンクになっているタイプです。通販で購入しました。インジェクタのパワーFETを取り付けるのにヒートシンクが丁度良さそうです。
作りかけのECUボードで
す。イーサコントローラは別基板で2.54ピッチに変換しました。バスのバッファと8253を2個、GAL1個を配線したところです。イーサの上にSH2
ボードが載ります。空きの部分はアナログ系の回路が載ります。会社で休み時間にちまちま作っているので全然捗らないです(笑)。
7月1日
先週不具合のあったインジェクタテスタの再テストを行ないました。20mSecの論理が間違っていました。修正してテストをします。40mSec:210cc、20mSec:206cc、10mSec:200cc、5mSec:190cc、2.5mSec:260ccとなりました。2.5mSecが100%開きと同じ量なのは逆電圧防止のCRフイルタの時定数が大きいため、OFFにならないためと思われます。3.3μFを1.0μFに変更したところ2.5mSec:165ccになりました。4発同時噴射の回路のため時定数が長ったようです。80%の開度で噴射間隔が短くなると噴射量が少なくなって行くのは無効噴射時間があるからでマップを作る時にこの辺も補正する必要があります。
低抵抗タイプのインジェクタも噴射量を測ってみました。5Ωの抵抗を直列に入れて測ります。40mSec:215cc、20mSec:210cc、10mSec:203cc、5mSec:193cc、2.5mSec:174ccとなりました。2.5mSecの時の成績が高抵抗タイプより良いようです。無効噴射時間が短いということでしょうか?
燃料ポンプのインバータドライブですが、モータの両端にショットキダイオードを入れるとFETの温度上昇が押さえれれます。モータの逆起電力で中間ONの状態が出ていたようです。オシロで波形を見ると、まだ少し中間に段があります。
7月11日
分解したミツバの電磁ポンプですが、吐出量を測りました。出口は開放です。約1.7L/minでした。仕様は0.3kg/cm2で1.4L/minなのでこんなものでしょうか?
ケントのカムシャフトのプーリです。大きいプーリの後側にカムシャフトがあります。このシャフトを延長してタイミングセンサのギアを付ける予定です。右はカバーですが、このカバーにオイルシールを追加してシャフトを出してタイミングセンサのギアを増設します。センサは以前にオークションで購入したFDのパルスセンサを使う予定です。歯数は30くらいでしょうか?クランクが1回転で15パルス=24度/パルスになります。
7月21日
ECU用の制御用ボードにフラッシュメモリを
追加ました。秋月のSH2ボードには40PinのROMが実装できるようになっています。型番は27C4096で16ビットバスです。ECU制御の場合に
はRAM上の噴射、点火マップを自由に書き換えて電源を切る前にフラッシュへ書き込み、再投入後に再度RAMに転送する必要があります。そこで、この
ROMのソケットに通販で購入した29F400TのTSOPパッケージを載せる変換ボードを作製しました。左写真です。2枚作りその内1枚は配線を行ないました。SH2ボードに載せると右写真のようになります。元々ROMのソケットのため、ライト信号とリセットがありません。これらの信号はボード上にピンを立てて接続します。フラッシュの容量は512Kバイトで64Kバイトが8セクタ取れますが、トップセクタタイプのため最上位の64Kバイトは32K+8K+8で+16Kバイトと変則的なセクタ容量になります。
16ビット接続でA1がフラッシュのA0に接続されているため、制御プログラムは一捻り必要です。フラッシュメモリのデータシートの制御方法のアドレスにアクセスしても上手く行きません。セクタイレーズとワードデータの書き込みのフローを載せておきます。
8月7日
monotaroで購入したオイルシールです。外形30mm、内径17mmです。カムシャフトのプーリを延長してタイミングギアを付けるのに使います。大きいのは普通の30mmのOリングです。
8月13日
燃料ポンプのインバータのケースにヒートシンクを付けました。ヒートシンクはペンティアム2用のヒートシンクを2つに分割して2個に使用します。
クランク角を取り出すタイミングギアを1.6mmのハイテンション鋼板から試し切りしました。3mmのエンドミルで切削します。直径は約90mmで30歯になります。左はCAD図面です。白線の部分が切削されます。実際に使う時は1.6mmを2枚重ねて使います。
8月19日
オークションで購入したミツバの電磁ポンプです。前に買った物は調子が悪くて分解したので、今度は新品に近いものです。9000円でした。
8月20日
電磁ポンプの動作確認をします。無負荷で1分間ガソリン送出量を測りました。約2.1Lになりました。
先週の続きです。クランク角用のタイミングギアを全周切削します。厚さ1.6mmのハイテンション鋼板です。中心にΦ17mmのセンタ穴を開けておきます。
もう1枚同じものを作ります。2枚重ねて使います。ボール盤に付けて、パルスセンサの出力波形を測定する予定です。
8月22日
会社の工作室のボール盤にタイミングギアをつけて実験します。2枚重ねて12mmのボルトで固定し、FD3用のカム角センサを約1.5mm離して設置します。
ボール盤の最低速の580rpmの時に約10Vp−pくらいの電圧が出力されました。最高速の2610rpmでは40Vp−pくらいまで電圧が上がりました。プロセッサの割り込みに使うために、セルモータの始動から最高回転(3500rpm)まで正確にパルス整形できる回路を使う必要があります。
9月1日
タイミングギアを1枚重ねで実験しました。580rpmの時に約7Vp−pくらい、2610rpmで約25Vp−p程度になりました。1枚でも問題なさそうです。
9月19日
タイミングギアですが、30歯じゃダメでした。4で割り切れる必要があります。32歯を再作しました(笑)。クランクの1/2回転がカムの回転なので、2で割れれば良いと思い込んでいました(笑)。再作に合わせてフライスで切れるぎりぎりまで大きくしました。右が新しく作った32歯、1枚でも高い電圧が出たので1枚で使用します。直径約100mmです。
10月8日
燃料ポンプの省電力用インバータを秋葉原で買ったケースに入れてユニット化してみました。851用にもう1台作る予定です。
ガレージの裏で動作テストを行ないます。FETの温度上昇も無く、正常に動作しているようです。
ケースを閉めて完成です。配線は入力の12Vと燃料ポンプへの出力+−の4本です。電流はケースの横の穴から半固定抵抗で調整します。防水していません。実際にエンジンルームに取り付ける場合にはコーキングなどで防水が必要です。実際に使用して温度が上がらなければヒートシンク部は取り外します。
10月22日
上記のインバータはドカの851用に使ったため、もう一台作製しました。再度、動作テストと電流の調整を行いました。こちらも正常に動作しているようです。
11月11日
お手本とする851のECUの噴射、点火のタイミングデータを測定するためにパルスセンサのタイミングを調べました。部品面が下になっているため、蓋を取るとハンダ面が見えます。
851の配線図からハンダ面から見たコネクタの結線図を予め作っておきました。クリップで摘んで、オシロで測定します。2つあるパルスセンサの波形をみます。
アナログオシロなのでワンショットモードでディジカメの1秒〜1.6秒の遅いシャッタスピードを使います。三脚で固定します。
パルスセンサからの2つの信号です。上がカムシャフトからの信号、下はクランクからの8倍の信号と思われます。
点火タイミングとの関係をカムシャフトからの8倍信号と思われるものと比較してみます。右と左はそれぞれ別の気筒の点火タイミングです。点火タイミングと同じ回数なので、上の信号はカムシャフト1回転に1回出力されています。この信号が基準になり、8倍信号でECU内部ステートを切替えているようです。この信号を擬似的に作ってECUに入力すれば任意の回転数の噴射、点火タイミングがエンジンをかけないで測定することができます。当然、アクセル開度を変えながら測定する必要があます。トラ技付録CPLDボードで擬似タイミング発生器を作製する予定です。
12月26日
会社の休み時間を使って、851のウエーバマレッリ用擬似タイミングの
論理を作成しました。QuartusU6.1のWEB版でシミュレーションを行ないます。トラ技の付録ボードMAXU用です。MAXUは3V系なのでトラ
ンジスタでレベル変換します。そのため出力信号の論理は反転しています。CPLDの動作クロックは8MHzで、この動作クロックとは別にエンジン回転数に
相当するクロックを2048倍の周波数で入力し、擬似タイミングを生成します。エンジンの回転数は100〜10000回転なので、周波数だと1.
6〜166Hzになります。回転数のクロックは2048倍で3.2k〜320kHzを入力します。これはタイマICの555などで作る必要があります。シミュレーションでは時間が掛かるため、エンジン回転数は3MHzを使いました。3番目がカムシャフトの基準信号、4番目がクランクの8倍信号になります。2つ上のオシロの写真の信号の代わりとしてECUに入力します。補助センサの吸気温度、吸気気圧、水温は適当に中間的な値を入れておく必要があります。ECUはエンジンが掛かっているのと区別がつかずインジェクタの駆動パルスを出力するはずです。このパルス幅をスロットルを変えながら測ればマップが調べられます。その後は851のインジェクタの噴射容量を測って使用する予定のホンダのインジェクタと比較し補正を行なって噴射量を決定します。前にも書きましたが、851とケントでは1気筒あたりの排気量が425/400ccと異なり、それ以上に吸気効率が
かなり違うと思います。851は851ccで約90馬力程度で、ケントは1600ccで100馬力くらいなので、約2倍になります。この辺も上手く補正す
る必要があります。最終的には乗りながらAF計をみて、リアルタイムに噴射量を調整して各回転数、スロットル開度で噴射量を追い込んでいくという作業が必
要です。
シミュレーション波形と実際の波形と縮尺を調整して重ねてみました。ECUの中で使われるのは多分、立下りエッジだと思われます。
下はクランク1回転に32回発生する割り込みに対する処理を表計算のシートにしたものです。各気筒ごとに工程と処理する内容が表になっていますが、まだ未完成で処理が分散されてません。実際には各処理の重さが解ったところで、各割り込みに分散していきます。時間的には1番シリンダの上死点が0度の基準になっていて、22.5度づつ、前後360度分です。当初点火タイミングは4気筒で1つのカウンタがあれば良いと思っていたのですが、ドエル角(点
火コイルへ点火前に一定時間電流を流しておく)を十分確保するのため、オーバラップさせることにしました。そのため、少なくとも2気筒で1つカウンタが必
要になります。当然ですが、コイルも気筒毎に別々に用意します。大分昔、デスビレスにしようと思って買ったV−MAXの点火コイルが4個手元にあるのでこ
れを使う予定です。クリックすると表計算のシートをダウンロードします。OpenOfficeやエクセルで見てください。
12月31日
年末も休出(泣)なので、休み時間を利用して擬似タイミング発生の作製をしました。トラ技のボードに小さい基板を追加します。5Vの3端子とトランジスタを2個実装します。 555はソケットにしておきました。3.3Vの電源はLT1086をトラ技のボードの方に実装します。555は手持ちが無いので、外部からオシレータで供給しました。3Vに調整してエンジン回転数のクロックとして入力します。使ったのはすごく古いナショナルのオシレータ(笑)。
5Vに変換したあとの波形です。上記の555で生成するエンジン回転数用の周波数が違ってました。カムからの基準信号はクランクの半分で回転しているので、必要な周波数は1.6k〜160kHzです。下は基準信号の中央で166Hzなので10000回転の時になります。