セヴンの全バラ・レストア
その2
セヴンのレストアを紹介していきます。
2005年12月29日
シャーシ内に残っていたベルハウジングとミッションを外します。チェーンブロックで吊って台車へ移動しました。
ミッションのマウントから前側は鉄板で構成されていますが、下部は塗装が浮き、かなり錆びています。
ワイヤ類を外します。上からクラッチ、スピードメータ、ヒータ、チョークケーブルです。
電線も外していきます。写真はセンタトンネル上の端子台。エポキシ系の接着剤で固定してありましたが、端子台の素材に柔軟性があり、接着剤が全然効いてないので、簡単に取れてしまいました。端子台の載っているアルミ板はブラインドリベットでメータパネルの枠に固定されているので、これも外します。
前側のキャリパからブレーキフルードを抜きます。その後、ブレーキラインを外します。
ABCベダルとキーシリンダも外します。穴がいっぱい開いているのは自作のブレーキマスタサポートです。
ステアリングラックのクランプとタイロッドエンドを外します。ステアリングラックが外れると、ハンドルシャフトが前側に抜けます。
電線をまとめて外します。配線にはタグをつけておきます。
12月30日
電線が無くなると、大分すっきりしてきます。
燃料タンクを外しました。キャップは昔カーボンFRPで作ったものですが、ひび割れが酷く、アルミで作り直す予定です。
フロントのスタビライザを外します。スタビライザのロッドもオイルと埃で真っ黒ですが、長年CRC556をかけていたため、メッキ部はさびていません。ノーズコーン内はCRCをかけていなかったためサビサビです。
フロントのアームを外していきます。まず、タイヤとサイクルフェンダを外します。その後、アップライトからキャリパを外します。プーラでボールジョイントを外します。トラニオンを固定しているボルトのみなぜかインチ系です。インチが出てくると、ソケットのコマを探すのが面倒です(笑)。
左側一式が外れました。黄色いスプリングは昔ノーマルスプリングを2液性ウレタンで塗っただけです(笑)。キャリパは片押しなので、2ポッドの取りつけが簡単なものがあれば交換したいところです。
右側も同じく分解できました。
12月31日
フロントのアーム類も全て無くなりました。
フロントアームの付根ですが、ダンパやアームが一部、片持ちになっているということが良く言われますが、貫通ボルトにすれば良いんじゃないかと、12mmの鉄棒を入れてみました。右側はスムーズに入りますが、左側は入りませんでした。大体2mmくらいずれてます(笑)。S45C材でオリジナルの貫通ボルトを作る予定です。
フロントに続き、リア側を分解します。まず、フェンダを外します。フェンダは6mmのボルトで止まっています。ボルトを外すと直ぐにフェンダが外れます。フェンダの内側はコールタール?が塗られています。小石や砂などが飛んでも音が出ないようになっているようです。
左右のアームとダンパを外すとホーシングがフリーになり、シャーシにゴムダンパを介して載ります。ショックのスプリングは長く、シャーシを馬で持ち上げていても、スプリングが少し圧縮されて入っています。
サイドブレーキワイヤとパナールロッドを外します。
2006年1月1日
お正月から、オイルまみれ(笑)。デフオイルを抜きます。
チェーンブロックとタイダウンを使って、天井からホーシングを吊ります。少しづつ左側に移動させてシャーシから抜きます。
ホーシングを乗せて保管する台を作ました。2x4材とOSBとキャスタ3個で作成しました。ホーシングは針金で台に固定しておきます。これで、ガレージ内を簡単に移動できます。それにしても重いです。70kgとも80kgとも言われています。今度、測ってみたいと思います。
コールタール?ですが、灯油を塗ると柔らかくなります。FRP用のハケで灯油を塗って少しづつ落していきます。
試しに部分的にサイドパネルに120番と500番のサンドペーパでヘアラインを入れてみました。そこそこいい感じです。アルミパネルを外してしまうと、大きくて、薄いため取扱いが面倒なので、外す前に大まかなヘアラインを入れておく予定です。
1月2日
幌を止めるスナップホックとボンネットキャッチを外します。ブラインドリベットで固定されています。
だんだん、部品が外れてきました。ボンネットキャッチはステンレスフランジのブラインドリベットが使われています。スナップホックは他と同様のアルミフランジが使われています。
トランクとシャーシ間のシールに使われているスポンジの接着剤がなかなか頑固取れませんが、ブレーキクリーナに浸しておくと直ぐに溶けて取れます。
スペアタイヤのステーと残りのスナップホックを外します。
コールタール?は地道に少しづつ灯油で溶かして取っていきます。
1月3日
やっと、左右ともコールタール?も取れました。
大まかにサンドペーパでヘアラインを入れたリアのアルミパネルを剥がしていきます。ブラインドリベットは中のシャフトを細いポンチで抜いたあと、ドリルで揉んでフランジを落し、再度、太いポンチで叩いて、フレーム内にリベットを落します。パネルの一部がフレームに巻き込んでいる部分は隙間にタガネを入れて巻き込み部を曲げます。フレーム内に残ったリベットは、フレームに穴を明けて取りたい気分になりますが、さてどうしたものでしょうか?(笑)。
リアのパネルが外れました。パイプのみになったリア部。ナンバの付いているプレートも外しました。
スカットル下のアルミパネルを外します。まず、ヒータのコアが入っていた枠を外し、その後、バッテリとウォータリザーブタンクのステー固定用のカシメナットをフランジをドリルで揉んで外します。
残りのブラインドリベットを外すと、アルミパネルが外れます。フレームが凄く錆びてます。フレームにはマスキングテープに書かれた番号が”559”と読めます。アルミパネルと接触している部分のサビが酷いので、雨による水分が隙間に溜まって錆びたのではないかと思われます。新しく組み立てる時にはアルミパネルとの間をコーキング剤でシールした方が良いです。
サイドパネルを外すためにブラインドリベットを外していたところ、前側の右下のリベットが抜けた時点で水が出てきました。雨水が溜まっていたようです。台風の中を走った時に溜まったのか、あるいは、長年シートカバーのみで露天駐車していたのが原因でしょうか?ブレーキのエア抜きで水を吸っておきました(笑)。
フレーム関係の今後の予定:
・アルミパネルを外して、パイプフレーム単体にします。
・フレームの修正(リアロングアーム用ビボット追加?)と軽量化します。
・サンドブラストをかけます。
・POR15で錆止めします。
・アルミパネルを貼って復元します。
1月8日
参考になりそうな本を持ってきました。オートジャンブルのケントの特集とケントの整備書、右はセヴンの本です。
オールドタイマのレストア本です。レストアといっても全然レベルが違います。錆で、所々しかボディが残っていなくても再生する人たちです(笑)。
左側のサイドパネルにヘヤラインを入れますが、縦についた酸性雨のあと?がけっこう深く、なかなか落ちません。
ヘアラインを入れるのに使ったサンドスポンジと洗剤です。洗剤はシンプルグリーンを使いましたが、普通の中性洗剤でもいいと思います。洗剤を水に混ぜると摩擦が少なくなって研ぎやすくなります。
リアアームのブッシュを分解してみます。万力にブッシュより少し大きいパイプと内側はソケットレンチのコマをセットしてブッシュを抜きます。アームの径はΦ19mmです。厚みは分かりません。ブッシュはゴムが緑色と黒色のものが混在して使われているようです。表面のメッキはぽつぽつと錆が出ています。クロモリの鋼材を入手して、長さが2倍のリア・ロングアーム仕様にしたいと思います。
左写真は左下側のリベットを外しているところです。下側はリベットの数が凄く多いです。Rがついている所は力が掛かっているために、リベットが外れるとパネルが自然に外れます。右の写真はリアの部分です。ここは90度に巻き込んでいるので、薄い板を挟んで、隙間を広げると外れます。
左のパネルが外れました。取り外したサイドパネルは踏んで曲げないように速、天井に吊っておきました。
センタトンネル上のパネルと、助手席の足元のパネルを外します。これで左側は全て部品が外れました。
1月9日
昨日に引き続き、右側のサイドパネルも外します。水研ぎで大まかなヘアラインを入れた後、リベットを外してパネルを外します。
パネルは2枚とも天井に格納しました。
運転席の足元のアルミのボックスも分解します。ここもけっこ、うリベットの数が多いです。
続いて、アンダーパネルも外します。下側のリベット数は他の倍くらい使われていますので、根気良く外します。右写真はアンダーパネルが外れたところです。これで、全てのアルミパネルが外れました。
運転席側のみ座席のスライド機構が付いていますが、これを外すのはちょっと工夫が要ります。スライドの前を止めているボルトは見えないので、後ろを外して、スライドを斜めにずらせてから、前側を外します。これで完全にパイプフレームのみになりました。
フレーム移動用台車に使う部品を近くのホームセンタで購入しておきました。左から、単管用のT字接続金具、Φ16mmボルト、ナット、台車用の車輪4個です。単管用のT字金具は足場用の部品ではないため高く、500円くらいです。車輪は1個660円でした。
1月10日
台車の車輪用のスリープを作製します。Φ20mmのアルミに内径16.5mmの穴明け加工をします。4本作製します。
1mの単管の両端に16mmのナットを2つづつ溶接します。車輪に上で作ったスリープを入れて単管に固定します。
その他の単管を所定の長さに高速カッタで切断し、自在クランプを使って3角形に組み立てます。これを2個作ります。
試しに上側に単管を通してみます。実際にはフレームの長さ(〜3.5m)の単管を使います。この単管にフレームを固定して、回転できるようにする予定です。
フレームを適当な回転角度で固定できるようにストッパを作製します。座椅子を分解した時に出てきた鉄製のプレートに単管の外形より少し大きいΦ50mmの穴をCNCで空けます。この後、穴の回りに10個程度の小穴を明けて単管に溶接してストッパに擦る予定です。