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セヴンの全バラ・レストア
その12
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セヴンのレストアを紹介していきます。
2006年
10月28日
オークションで購入したR32
のマスタシリンダです。GT−R用じゃありません。GT−Rは1インチ、これは15/16
のようです。
フロント用の油圧出口が2個あるので(非ABS用のため)、止め用のナットを作りました。付いていた配管の切れ端に鉄の棒を入れて溶接しました。フレアナットは10mm/1mmピッチ
です。ノーマルのブレーキやマスタも、FC3Sのキャリパも同じです。
錆びているのでガムテでマスキングをしてサンドブラストします。右は完成したところです。ノーマルとはフランジ部が合わないのでアルミ材でアタプタを作製する必要があります。
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フロントフェンダの本塗り
をしました。雨の後で風も無いため外で塗装しました。ラジコン用の2液性ウレタンの黄色です。明るめの黄色です。塗った後になぜか虫が寄ってきて付きます。
会社のオーブンで焼きつけたFC3Sのキャリパにシール、ピストン、ダストカバーを付けて組み立てました。作製途中のキャリパサポートも早く作らないといけません。
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10月29日
ウレタンで塗装したフロントフェンダを1000番ペーパ、コンパウンド(細目)と液体コンパウンド(3000番)の順で磨きます。細目のコンパウンドはボロ布
に付けて磨きますが、結構抵抗が大きくて疲れます。素人塗りなので塗装の時に少し失敗しても、磨けばそこそこきれいになります(笑)。
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デフケースのガスケットを作りました。切れた古い物を真似してカッターで切り出しました。
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リアフェンダに付くストーンガードをカーボン・ゲブラで作ります。下に敷いているのはプラダンです。プラダンは耐溶剤性が高いようで、表面に変化はありませんでした。裏はマットを1枚積層しておきました。使った繊維はケブラが少ない不均等タイプです。表面はプラダンの波型の凹凸がコピーされます。
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外形を整形して1枚完成しました。
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ストーンガードは左右を一度に作るはずでしたが、ダメでした。短い方の2枚分の長さで作ってしまい、失敗しました。もったいなかったです。来週片側を再作します。
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リアアクスル
の錆とオイル汚れを落します。ベアリングが外れないため、サンドブラストは行なわず、PORで塗装する予定です。
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ブレーキペダルBOX
の塗装を落しました。ホーシングなどの塗装と違うようで、焼き付けしてあるのか、リムーバを2〜3回塗らないと塗装が落ちません。細かいので落すのが大変です。この後、ブラストしてPORで塗装します。
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リアのホーシング
の塗装落しの続きです。リムーバを塗って、ステンレスのワイヤブラシで地道に落していきます。70%くらい終りました。
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11月7日
先週失敗したストーンガードを再作しました。
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外形加工をして完成です。
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ノーズコーンをサンドペーパで均し、その後、ひび部分をカッタでなぞって中に入っている埃を取ります。その後、サーフェサをハケ塗りします。
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11月8日
ひび部に塗ったサーフェーサを水研ぎしました。全体を浮かせて、アセトンで脱脂し、全体にサーフェーサを塗る準備をします。
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リアフェンダもサンドペーパをかけます。
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2液性のウレタンのプライマサーフェサでノーズコーン、リアフェンダ2つを下塗りします。
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先週の続きでペダルBOXとブレーキパダルにサンドブラストをかけ、その後、PORをハケ塗りしました。
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11月9日
前日塗ったPORが乾いていました。
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リアフェンダのサーフェーサを水研ぎします。小さい負凹凸をサンドペーバで削ります。削り過ぎると下地が出てきます。再度、サーフェサを塗る予定です。
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徳井技研さんからS13のマスタシリンダを譲っていただきました。セヴンMLにフロントの油圧出口が2つあるがどちらを使うのかという質問をしたところ、徳井さんから日産系のマスタシリンダにはPバルブ(プロポショーニングバルブ)が内蔵されているので要注意という情報をいただきました。確かにマスタシリンダだけなら寸胴で良いのですが、R32や譲っていただいたS13も横に余分なシリンダが付いているのが分かります。早速、分解しました。始めにカップとメインシリンダの中のピストンを分離します。
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問題のPバルブの後ろ側です。蓋がしてあります。始め蓋が圧入してあるのかと思ったのですが、よく見るとどうも質感が薄い板ような感じなのでドライバでこじると、ぺらぺらの
アルミの板
が取れました(笑)。
中に6角の穴が見えます。
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6角レンチで直ぐに分解できました。強目のスプリングと先端に白いプラスチックのバルブのついた止めネジが外れました。本体側にはまだ鉄の部品が残っているようです。
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Pバルブの後ろには小さな穴が開いていてメインのシリンダの一番後ろ側と繋がってました。色々といじっているうちに奥のピストンが外れました。このピストンの奥にもなにやら鉄の部品が見えるのですが外すことはできませんでした。Pバルブをキャンセルするのにはこのスプリングが中に入っている時と同じ寸法のスリーブを作ってこのスプリングの代わりに入れれば良いのでは思います。また、フロントの取り出し口は中で繋がっているらしいので、2つあるうちどちらを使っても同じと思われます。
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サーフェーサの水研ぎ後、ウレタンの黄色で上塗りをしました。3回塗って艶が出てきました。細かい所に艶が出ていない所もありますが、適当な所で切り上げます。後でコンパウンドで磨けば多分大丈夫です。
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11月11日
先週塗ったノーズコーンですが、虫のついたあとが取れずペーパの掛けすぎで下地が透けて出てきました(笑)。再塗装は天気が悪くて持ち越し。
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先週の続きです。今度は実際に使うR32
のマスタシリンダを分解します。こちらも薄いシールが貼ってあります。6角の止めネジを外すとS13とは違ってピストンだけでスプリングが出てきませんでした。ピストンが1つあるだけです。奥はもうマスタシリンダのボディになっています。
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奥側からの写真です。アルマイト処理をした小さなピストンが入っていて、押すとテンションがかかっています。分解する所が見つかりません。30分くらい色々といじっていると、どうも手前の部分の質感が違うよです。万力に挟んで回してみると分離しました。ゆるく圧入されているだけです。
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分解するとシールやスプリング、アルマイト処理したピストンが出てきました。このアルマイトの小さなピストンはフロント側の油圧で押される機構です。簡単に部品を外すだけでPバルブをキャンセルするのは難しそうです。やはり、スプリングの代わりに縮まないスリープを入れるしかなさそうです。
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11月12日
この日は天気がよくなり、先週失敗したノーズコーンの再塗装をしました。天気は良いのですが、風が強く、外では塗装できないので、簡易塗装ブースで塗装しました。塗装ブースはブラストブースとして使っていたのでブラストBOXを外に出して、掃除してから塗装しました。
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左右のリアフェンダも上塗りしました。来週、バフ研磨する予定です。
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11月16日
R32
のマスタシリンダのPバルブの断面図の模式的に書いてみました。2分割になっている内部のピストン状の部品は動くわけではなく、固定されています。動くのは赤いプランジヤだけのようです。一番右のシールは極く弱く、自重で落ちない程度の緩さです。こんなに緩いシールの間をたぶんフルードは流れないのだと思います。流れると、油圧が1系統になってしまい
危険です。これが正しいとすると、プランジャがスプリングに勝って左に移動するとリア出力はリア圧と断絶し、一定の圧力を保持するという通常のPバルブのように思えます。前回、Pバルブをキャンセルするにはスプリングの代わりにスリープを入れると書きましたが、もっと簡単キャンセルする方法がありました。一番左のプランジャが移動する分の穴が開いていますが、ここに詰め物をすれば移動できなくなりPバルブがキャンセルできるはずです。とりあえず実験する必要がありますが、100kg/cm2程度の圧力計を入手する必要があります。
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ブランジャとシールの拡大写真です。シールの内径はプランジャが嵌っている外形より大きく、ぐらぐら状態で、この間をフルードが流れているようです。シールにも隙間ができるようにヒダが付いています。わずかΦ10mmの小さなゴムのペラペラの部品が制御しています(笑)。
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11月18日
先週塗装したフェンダとノーズコーンの水研ぎを行ないます。ノーズコーンはそこそこ良いですが、リアフェンダーは水研ぎで何かムラのようになって下の緑が見えるようです。サフェーサは白いのですが、なぜか緑色のような暗い色が出てきます。再度、上塗装をする予定です。
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取りあえず出来の良かったノーズコーンの艶出しを行ないます。近くのホームセンタで購入したスポンジのバプを電ドルに
付けてコンパウンドの細目で磨きます。右は一部のみですが、艶が出たところです。
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11月19日
ノーズコーンの全体を磨きます。凄く時間が掛かります。
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全マスタシリンダのPバルブのキャンセル確認用の圧力計を取りつけるアダプタを作製しました。銅管の先に1/4のテーパのついたホースジョイントをハンダ付け
しました。マスタシリンダ側はフレア加工をしてフレアナットで固定します。圧力計をオークションで探して付ける予定です。
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