ケントのECU化
その10
セヴンのECU化を紹介していきます。
2011年
2月26日
先週の続きです。2個目のインジェクタ用の固定延長ステーを追加で作製して仮止めします。
2月27日
アクセルワイヤの接
続ロッドの図面をqcadで入力して、CNCで切削しました。アルミの厚みは12.7mmです。黒のアルマイトがかかっています。
スロットルに合わせて追加加工し
ます。ワイヤの接続部は10mmの真鍮製です。下側に引くとアクセルが開きます。
追加加工の終わったインマニ/
インジェクタホルダをブラストします。威力が弱くても良いのでスピードブラスタを使って外で打ちっぱなしで行いました。ブラスト後、石油で砂を洗い落とします。
いっしょにアクセルワイヤの接
続ロッドもブラストします。右は仮止めしたところです。
3月5日
キノクニから購入した部品です。4mmのシリコンチューブと
フィルタ。右はホースクランプと燃圧計です。燃圧計はシリコンオイルが封印されています。脈動で内部が破損するのを防止します。
こちらはモノタロウで購入した50mmのキャップボルトです。インジェクタ固定用です。
3月6日
スロットルのガスケットをCNCで作製しました。4枚重
ねてアクリルに挟んで一度に切り出します。
インマニに乗せてみます。サイズは丁度良いようです。
早速、ガスケットを挟んでインマニに4連スロットルを仮組みしてみます。ファンネルとエアフィルタも付けてみました。
2/3番のインジェクタ周辺です。ぎりぎりで部品が干渉しないようにできました。購入した50mmのキャップボルトはここで使います。
燃料デリバリの作製を開始しました。市販の真鍮製ホースニップルを
使うか、旋盤でニップルを作り溶接するか悩みます。真鍮のホースニップルは重いし、テフロンテープでシールする箇所も少なくしたいです。デリバリの材料は2017です。これは溶接し難い材料です。
3月12日
先週の続き、デリバリの作製です。既製品の真鍮のニップルの使用をやめ、アル
ミで作製することにしました。会社の近くのホームセンタで購入した18mmのアルミ棒で
す。
先週作製した燃料デリバリの材料はA2017です。A2017
は溶接し難いので予め、試しに溶接してみました。通常通り溶接できます。
アルミ棒からニップルを4個作製しました。タケノコ子部はCNCで切削しまし
た。
3月13日
昨日作製したニップルをデリバリに溶接しました。
デリバリに取り付ける燃圧レギュレータを接続するT字接続部を作製しました。
その後、デリバリに溶接します。
ニップルとT字接続部を溶接した後でサンドブラストを行い、レギュレータと燃圧計を取りつけ
ました。
完成したデリバリに燃料ホースを仮組みしてみました。
3月27日
先々週に完成した燃料デリバリの加圧テストを行います。コレクタタンクに灯油を入れ、ポンプを駆動して燃圧を3kg/cm2に調整します。
溶接部から灯油が染み出てきます。溶接不良です。
一度ばらして、溶接して再テストします。止ったようです。
燃圧をかけつつ、インジェクタに12Vをつなげて噴射テストをしてみます。ガソリンだともう少し細かくなったように思います。
4月17日
インジェクタ駆動用のハーネスを作製しました。線材は短いので途中で延長してコルゲートで保護しておきます。
5月4日
ECU基板一式と開発用PCをガレージにもって来ました。GDBを使わずに単独でブートするようにSHのフラッシュにECU用プログラム書き込んでおきます。
5月5日
パルスジェネレータの出力をオシロで確認しておきます。センサはホール素子を使っているので、電源が必要です。
第一段階のテストとして、車の電源とは別の12VのACアダプタでECUを動作させます。パルスジェネレータの信号のみ車側から接続してセルモータのクランキングからエンジン始動までECUが正常に動作するか確認します。回転数が表示され正常に動作しています。
車の下に仮配線しているECU用ケーブルにコネクタを圧着します。左は水温とスロットルセンサ。右はパルスジェネレータの出力です。
5月6日
パルスジェネレータの配線にDINコネクタを取り付けてエンジンエミュレータに接続します。スイッチで車側のパルスジェネレータとエミュレータ内のCPLD擬似パルスジェネレータと切り替えられるようにしておきます。
電源も実際のバッテリから取り直して再度テストします。この状態でもエンジン始動までECUが正常に回転数が表示され正常に動作しています。
パルスジェネレータの基準を確認します。下の波形がフルトラのコイルの一次側の波形です。上の波形はECUの1気筒の点火タイミングです。ECUの方が進んでいます。パルスジェネレータギアの固定位置を調整して右のようにタイミングを調整できます。
5月7日
現在のフルトラの点火時期は1000rpmで約16度になっています。ECUのプログラムの方が10度になっているので、PCを接続して初期値を16度にプログラムしなおしました。再度、基準位置を調整する要があります。
5月8日
現在はパルスジェネレータ信号と電源のみ車側から取っている状態です。インジェクション用の4連スロットルに付いているスロットルセンサをウエーバに取り付ける準備です。4連スロットルとウエーバではバタフライ回転方向が違うため、4連スロットルでは前側についていたスロットルセンサは後ろ側に取り付ける必要があります。ウエーバのロッドを延長してスロットルセンサの回転アダプタを取り付けます。スロットルセンサを固定するプレートもねじ止めしました。右はスロットルセンサを仮止めした所です。次回プレートにセンサを固定します。
5月15日
CNCでスロットルセンサの固定プレートを作ります。
先週作成したL字プレートに仮止めします。
スロットルセンサの範囲を確認します。最大踏み込んでも65%までしか上がりません。もともと手動でも91%までしか上がらないうえ、ウエーバの角度が45度きっちり回らないので最大でも65%になっています。センサの電源電圧を上げるか、センサ出力をアンプで増幅する必要があります。
燃料ポンプのインバータ(FETスイッチ)の動作確認をします。このインバータは851用に作製したもの同じものです。ECUからの信号でポンプのON/OFFができるように改造したものです。タイマの555のリセット端子に直接ON/OFF信号を入れていたのですが、テストの結果ノイズに弱いことが判明(完全にOFFできない)。ON/OFF信号にトランジスタを追加しました。これでポンプのON/OFF信号が反転したので、ECUのプログラムを修正する必要があります。
5月29日
スロットルセンサの電源を3端子レギュレータにして、GND端子をかさ上げして半固で可変できるようにして、99%まで上がるようになりました。
回転数が1200rpm以上でアクセルOFF時は燃料の噴射を止めるのですが、1気筒目のみ噴射しています。プログラムを見たら1気筒目が実験用のコードになっていました。大分前のことなので忘れてました。
早速、修正します。ついでに各ADコンバータで読み込むセンサ値の生データを表示するページを
追加しておきました。スロットル開度、大気圧、吸気温、水温、電源電圧、コンソールボリュームのADの生データを表示します。本来はGDBのスタブをフ
ラッシュに書いてプログラムはRAMに転送すれば内蔵フラッシュへの書込み回数が減らせるのですが、電源を投入する度にプログラムを転送する必要があるた
め現在は内蔵フラッシュへ書いています。今回は5回も内蔵フラッシュへ書き込んでしまいました。公称では内部フラッシュの書込み回数は100回です。
5月30日
しまってあった吸気温と大気圧のセンサです。吸気温センサはB16A(VTEC)のものです。大気圧センサはAE86?のバキュームセンサです。
B16Aでは吸気温センサはサージタンクから繋がるインマニの間に(上記リンク参照)ついているのですが、このケントではサージタンクは無いため、ファンネルに取り付けることにしました。スペーサを作製して吸気温センサの先端がファンネル内の出るように厚さを調整しました。
6月4日
センサ用の250型コネクタです。4、3、2Pを購入してきました。
ポリプロピレンも接着できるスーパー多用途です。吸気温センサのスペーサとファンネルを接着しました。使った感じはシリコンコーキング剤と同じようです。
6月5日
ECUのプログラムを修正します。内蔵フラッシュにSTUBを書き込んでGDBに変更しました。変更はコンソールについている設定用のボリュームで噴射量を微調整できるようにしました。
6月11日
エンジンエミュレータにセンサの入力ジャックを追加しました。ジャックにセンサケーブルを挿すとエンジンエミュレータ内のボリュームから接続したセンサに信号が切り替わります。
6月12日
実際に車に載せて各センサを接続してみます。水温が異常に高い温度を示していますが、吸気温と大気圧はまだテープルが適当なのでこんなものでしょう。GDBモードになっているのでイグニッションONでPCからダウンロードするので面倒です。ECUのプログラムは進角をコンソールのボリュームで調整できるようにコードを追加して動作を確認しました。
6月18日
イグナイタの作製です。イグナイタといってもタイミングは何もしていません。トランジスタとFETで電流増幅しているだけです。ヒートシンクはペンテアム2用です(笑)。
プラグと外部電源、入力スイッチをつけてテストを行います。通電を切断するとプラグにスパークすることを確認しました。また、通電時コイルの1次側にちょうど2Aの電流が流れるのを確認しました。この電流は外付けの抵抗2オームで調整できます。