変な物&めずらしい物 その7-1
DC10の燃料計


2013年
8月26日
オークションで購入したDC−10の燃料計です。命にかかわるので車みたいに適当な燃料計じゃないです(笑)。ふと、オークションを見ていると500円で売っている航空機用計器がいくつかありました。航空機の燃料計は静電式です。また、これは表示が数字表示で、全面の面積に比べて奥行きがやけに長いんです。多分中には回路が詰まっているのでは?と思って買ってみました。ケースに書かれた名板からDC−10−10用と思われます。航空機関士が見る主翼にある燃料タンクの残量を計る燃料計と思います。


タグが付いてました。94年にAAから廃棄されたようです。DCー10−10は70年〜72年くらいの製造のようなので20年くらいの間使われて?いたことになります。まあ、実際に飛行機に載っていたかは不明ですが。


早速、分解してみます。基板の量が凄い!思ったより回路が詰まってます(笑)。


全部で16枚のガラスエポキシ両面基板が繋がってます。後で、全部分解してみます。右の写真の右側にあるのは全面に出ているノブに繋がっているスイッチです。TI(テキサスインスツルメンツ)のICが見えますが、ぱっと見た感じ74でも54シリーズでもないICのようです。BB(バーブラウン)のモジュール?も見えます。ハンダ付けし直した後もあるので修理したんでしょうね。


背面のコネクタはこんな感じです。コネクタにシールドされた信号が6本来ているので、タンク内に6個のコンデンサ(燃料が誘電体になる)があって平均とかして表示させているのは?と思います。表示部は3桁だけが可動で、下の2桁は動きません。表示単位は重さのポンド(lb)なので100ボンドは約45kgですね。可動部は手で軽く回ります。電磁式と思われます。後で分解してみます。


ネットで調べるとDC−10の航空機関士用のメータパネル図がありました。これの一番下の数字表示のやつどれかと思います。



8月31日
同じ燃料計をもう一つ買いました(笑)。今度のは後ろのコネクタにプラスチックのキャップが付いてます。タグによると、廃棄された年も94年で同じです。


初めに買った方の分解を開始しました。とりあえず、表示部から。表示部の駆動はステッピングモータのようです。中央の回転子は円形ではなく、表示の5の位置が太くなっています。位置を決めるのためと思われます。他に絶対位置を決める機構はありません。表示板は樹脂の切削品のようで薄く、厚みは0.2mmくらいしかないです。一部、薄すぎて割れています。軽量化用の穴開け加工も大きく、ぎりぎりです。ここまで軽くしないと正確に回転しないんでしょう。



基板を単体にしました。全部で16枚。トランジスタは当然2Nxxx、その他LM111(コンパレータ)も見えます。右は1つだけ緑のソルダーレジストのかかっている基板で、バーブラウンの4423が載ってます。ネットで調べたところ、高精度直交(Sin/Cos)発振器でした。発振周波数は0.002〜20KHz。この基板の部品のデートコードは80〜81年が多く、ほかの基板は70〜71年が多いので、修理で基板ごと新しいものに交換したと思われます。


9月1日
続きです。パネル裏の小さい電球が4個ついている照明用の基板です。基板は全部で上記の16枚に加えて17枚になります。裏側から見たときLEDか思いましたが電球でした。まあ70年代ですから当然です。5V電源に繋げると光りました。”FUEL QTY”は照光式になっています。パネル部はガラスと透明の樹脂でできていますが、電球なのでかなり温度が上がります。


16枚の基板の中には灰色のセラミックパッケージのICの載った基板がありました。見覚えのある型番が印刷されています54xxシリーズです。もとは金色のフラットパッケージ(型番は850−xxx−xxx)だったものを修理で54xxシリーズに交換したと思われます。因みに型番は5400や5404の数字が見えます。普通に購入できる部品を航空機用?の部品として登録したのが850−xxx−xxxと思います。こんなページがあります。ページが開いた後で右上のサーチボタンを押してください。850−007のパーツが表示されます。このページによると、FSG5962という規格のようです。850−007−301は7400のようです。


こちらは新しいく買った方バーブラウンの4423が載っている基板です。ソルダーレジストは無く、他の基板と同様のガラエポそのままです。バーブラウンの型番も4422ではなく850−009−001となっています。因みにこちらのデートコードは70〜71年が多いです。


ガレージに古いTTLのデータブックがあったので引っ張り出してきました。82年ですね(笑)。


初めにパッケージから。左が金色の方のTフラット。右はセラミックのフラットです。左と右はフォーミングによって同じサイズになります。


SN5400とSN5404。74シリーズと違い、54シリーズは電源が中央に配置されているものもあります。



9月7日
別のICも検索ページで調べてみました。
850−007−312は”4Latch、D”とヒットします。5474/7474ぽいですね。1つ違いの311、313は残念ながらヒットしません。他のも見つかりませんでした。別の検索で、RIMエンタープライズというところでハイフン無しでヒットしますが、メーカはNSと表示されますが、ICの内容は分かりません。


850−007−103と読めます。ヒットしないです。残念ここでは一応ヒットしますが、ICでなく別のものです。



9月15日
500円なので、別のものも買ってみました。いずれも何用か不明。種類は上記と同じ燃料計アナログ指示と数値指示の両表示


分解すると、メカのみ基板無しです。残念。ギアがたくさん入ってます。指示と直交の灰色のがポテンショメータで、右の後ろのがモータです。サーボ機構ですね。


別のもの。TAS=トゥルー・エア・スピード計です。単位はノットのようです。数値のみの表示で、指示部に黄色のマスクが出てきます。表示が有効になると引っ込みます。


中はこんな感じ、こちらもモータポテンショメータを使ったサーボ機構です。指示部のマスクはソレノイドで動きます。右はコネクタ部、コネクタに近い所に小型トランスが見えます。


指示ドラム側、モータとポテンショメータ、ギア部のアップ。右はコネクタ側、基板が2枚見えます。


別のもの。SAT=スタティック・エア・テンプラチャ計です。単位は。上記と殆ど同じですが、表示が0を境にプラスマイナスの表示が変わります。