削り出しカーボン11/29号
その1:購入
2022年
7月1日
1月の引っ越し後、アパートから持って来た不用品を暇にまかせてヤフオクで売りに出していました。思いのほか良く売れて、そこそこのお小遣いが貯まりました。ネットで物色していると、テージ3Dが売りに出ていました。15年くらい前のものですが、結構なお値段です。売り出中のミッレと1198SP(一時抹消済みのため、車検を取ってヤフオクで売る予定)に不足分をヤフオクのお小遣いを当てれば購入できる金額です。何と言っても、削り出し、カーボンのパーツに弱いです(笑)。早速、4Cで川崎のお店に見に行きました。
左前からの全景です。エッジが効いています。アルミ削り出し、クロモリとカーボンからできています。残念ながら、タンクはカーボンではなくポリエステルのポリタンクです。初めに29台作られた赤、白(パール)、金ラインのコンセプトの11番です。
タンク、サイドカウルとフロントフェンダには金のラインが入っています。
前後フェンダはカーボン製ですが、その他のフェアリングやクリーナボックスなどもカーボン製です。
サイレンサは純正の三角形のものが付いています。2007年式で内部に触媒が内蔵されています。音も大人し目とのことなので、社外品を付けたいところです。残念ながら、テルミやアクラポビッチでは作っていません。
ナンパプレートを吊るステーもカーボン製です。リアの細いLEDのウインカは社外品に交換されています。
エンジンのクラッチ側にはカバーが付いています。エンジンはドカの湿式クラッチの1100DS(ムルティ用の2バルブのツインプラグ)です。湿式なので、このカバーを取るとドカのロゴが見えてしまうんですね。ドカのエンジンは共通部品が多いため、乾式クラッチにするのは比較的簡単と思われます。851の部品取りエンジンが有るので、移植できるかもしれません。
ジェネレータ側にはビモータのキャップが付きます。
メータパネルはステッピングモータ駆動のデジタルタコとLCDのマルチメータです。メータの下に社外品の燃調調整のボリュームが付いています。DB1似のクラッチ/ブレーキのマスタカップが付いています。当然ですがトップブリッジ下にフォークは有りません。
テージの肝のフロントハブステアリングのスイングアームはクロモリ製、操舵とブレーキフローティング用のロッドはカーボン製です。純正ホイールは鍛造アルミのマービック、普通のお店だとタイヤの交換が出来ないので、新品タイヤへの交換と登録までやってもらうことにしました。納車まで1〜2週間かかります。
<<ECUのメーカとタイプ>>
WALBRO ECUC−9
(ドカの純正と異なりTuneECUやScanM5Xが使えなさそう?です。ベネリにECUC−1が使われているようです)
<<WEBの情報>>
モトコルセのテージ3Dコンセプトのスペックのページ。
ビモータのパーツリスト、オーナーズマニュアルダウンロードのページ。
EbayのZARDサイレンサマフラのショップのページ。
フロントハブステアリングの説明動画。
フロントハブステアリングの動画。
新しいフロントカンチレバータイプにカーボンホイールを付けて街中をかっ飛ばすロシアの動画。
テージ3D用BSTカーボンホイールのページ。60万円か〜
ウィキペディアのビモータのテージのページ。
ビモータの歴代モデルと生産台数のページ。
ビモータの系譜2000年以降のページ。
兄弟車DB5のページ。
兄弟車DB6のページ。
ヴァイルス984C3V2(デージ2D)の売りページ(売却済み)。
テージフォーラムのページ。
851の部品を使って乾式クラッチにできるか考察します。初めにクラッチハウジングです。左がテージ3D、右が851(紙のパーツリストしか無いので、ドイツのSTEIN−DINSEのWEBをキャプチャしました)です。主な違いはクラッチハウジングとメインギアが一体か分離しているか、15、16番のOリングとオイルシールの有無です。
続いて、クラッチカバーです。肝は851の18番の大きいオイルシールです。これでクラッチ側とエンジン内部を分離しています。このパーツリストには出ていませんが、テージ3Dでは油温センサがクラッチカバーに付けています。851には取り付け穴はありません。油温センサはオイルクーラ配管やストレーナフィルタに付けることで対応できそうです。
続いて、メインギアシャフトです。シムの中には同じ型番があるので、シャフトの直径は同じと思われます。クラッチのプッシュロッドの左端の30、31番のオイルシールとニードルローラベアリングの有無が違います。メインシャフトの内径と深さが851と同じであれば、この部品をシャフトに入れれば、ロッド穴のシールができるはずです。パーツリストからは851の部品で乾式クラッチ化できそうです。
7月12日
早速、851の部品取りエンジンをガレージ奥から引っ張り出して来ました。手製のジグを使って回り止めをして、センタナットを緩めます。
ハウジングの固定ボルトはインパクトを使えば固定しなくても緩みます。
カバーを外すとメインギアが出てきます。隙間が狭くてギアプーラは入らないので、針金を引っ掛けて手前に引けば、少し固着しているだけなので、直ぐ外れます。ガスケットも切れないで回収できました。
一式取り外し完了しました。クラッチカバーはスラッジ汚れでドロドロなので、洗浄しておきました。
7月13日
1198SPのアルミハウジングがあるので、比べてみます。851用は鉄なのでかなり重いです。
穴あきカバーと合わせて、アルミハウジングで仮組みしてみました。
テージ3Dコンセプトが掲載されている2007年出版の古本をヤフオクで購入しました。初めはモトナビの2007年10月号です。見開き2ページで簡単な紹介です。テージ3Dコンセプトの広告が1ページあります。
続いて、ライダーズクラブの2007年5月号です。5ページです。写真がたくさんあります。テージ3Dコンセプトの広告が1ページあります。
3冊目はバイカーズステーションの2007年7月号です。3ページですが、各部の詳細写真と解説があります。こちらはテージ3Dの広告は無く、DB5の広告でした。
ライダーズクラブ、バイカーズステーションともテージ3Dのタコメータをアナログ式と記載していますが、ステッピングモータを使ったタコメータにアナログ要素は100%無く、外観はアナログでもデジタル式が正しいです。
7月16日
車両の購入後に直ぐebayで注文したZARDのスリップオンサイレンサがやっと発送されたようです。発送まで約2週間かかっているので、もしかすると受注生産品だったのかもしれません。イタリアのナポリの会社みたいですが、支払いがオーストラリアドルというのも?です。関税を考えておかないと、多分、4〜5千円はかかります。
7月17日
天気が良くなったので、電車で川崎のお店まで取りに行きました。ちょっと見にくいですがフレームにシリアル番号が貼ってあります。011番です。分母、分子とも素数です。29台の国別の分布が知りたいですね(笑)。
タイヤが新品なので慎重に走り始めます。足つき良好です。膝の間はドカのF1並みにスリムです。246号が渋滞してノロノロ運転なので凄く暑いです。246号沿いのコンビニで水分補給の休憩。
青葉ICから東名に乗りました。東名も渋滞していました。圏央道に入るとスピードが出せます。厚木SAで休憩します。
圏央道から関越道に入ってガレージに無事到着しました。1198SPに比べてパワーは2/3弱なので、そのぶんアクセルを開けられて楽しいかもしれません。普通の道路ではブレーキを掛けてもフロントが沈まないという違いはありますが、普通のフォークと大きく変わらないです。タンク容量は16Lで残り5Lでワーニングが出るみたいなので、ツーリング時は他の人より頻繁にスタンドに入らないといけないです。多分150kmくらい毎に給油必要です。VTR1000Fを思い出します。
唯一の付属品は英語版のオーナーズマニュアルです。PDFはここからダウンロード可能です。因みにマニュアルや車検証を入れる収納場所は無いです。
7月18日
追加写真です。ナンバの取り付けベースとチタンのオイルクーラガードはモトコルセの物が付いています。
リアブレーキにスピードメータ用の回転センサが付いています。
ブレーキディスクはグリメカのロゴが刻印されています。キャリパはビモータの鋳込みありますが、仕様書から同じグリメカ製です。
ETCはバッテリの左側に付いています。
クラッチ/ブレーキのマスタカップのサイズは同じですが、クラッチ側が小さい個体もあるようです。ワークショップ・マニュアルには2種類出てきます。スマートフォンのホルダをどのように付けるか思案中です。
アクセルホルダの前にチョークボタンが付いています。オーナーズマニュアルによるとエンジンが冷えている時に使うとのことです。ボタンを上げると、メカ的に少しアクセルを開けた状態になり、アクセルを全閉すれば解除されます。エンジンが温まるまでスロットルを保持しなくてもいいです。
純正のブレーキ/クラッチレバーは可倒式です。先端は折れるようになっていて、根元は上側に曲がるようにネジ止めされています。転倒時にトップブリッジや操舵機構になるべくダメージが及ばないようになっています。
クラッチ側のカバーを外してみます。ドカのロゴ付きムルティ用の湿式クラッチ1100DSエンジンです。
手前下に油温センサが付いています。乾式クラッチ化の時に使う851のクラッチカバーにはこの取り付け穴はありません。
オイルブリーザからのドレンホースは延長され、車体の下で大気解放されています。オーナーズマニュアルではオイルキャップを介してエンジンに戻っています。ユーロでは規定があるのかもしれません。
ブレーキとクラッチのレバーを純正から1198SPから外したCRGのカーボン製に交換しました。マスタシリンダのメーカは仕様書に書いてありませんが、ブレンボのラジアル用のレバーがそのまま使えます。
左のハンドルにUSBコネクタが付いています。古いスマートフォンを接続して充電できることを確認しました。
7月19日
スマートフォンの固定はセンタキャップに5mmのネジが2ヶ所切ってあるので、ここに固定できるステーを作製する予定です。ホルダは注文済みです。
シートの下にギボシがぶら下がってます。後でシートを外して確認します。因みにシートレールは無く、シートカウルがカーボンのモノコック構造になっています。
テール/ストップランプはS25のダブル電球が付いていので、LEDに交換します。アマゾンで注文しました。ヘッドライトはH7のハロゲンが付いているのでファン無しを注文済みです。ヘッドライト内のスモールはLED化されています。
ナンバ灯もT10の電球が付いていました。こちらは手持ちのLEDに交換しました。ケースにアルミテープを貼ってなるべく、ケース内で光りが拡散するようにしました。
サイレンサを外してリアの配線を確認します。接続されてないギボシが複数あるようです。
ワークショップマニュアルにリアの配線が載っています。オリジナルもストップランプ以外はギボシで配線されています。回路図と照合すると写真の説明が少し間違えてます。テールランプと右ウインカが入れ違っているようです。これを参考に配線を整理します。
7月20日
リアの配線を確認します。ストップランプ/スモールはファストン端子で接続されていました。
未接続のギボシはウインカの分岐でした。写真ピンボケ。
分岐してあるギボシを外して、ナンバ灯の配線を延長して整理しました。
ストップランプのベースが割れています。”PC”のマークがあるので、ポリカーボネートと思われます。ジクロロメタンで接着しておきました。
サイレンサを固定しているスペーサの1つが別の物だったので作製しました。端材の内径が大きかったので、厚みは同じですが、フランジ状にしていません。
配線を戻します。ウインカは左右が分かるようにタグを付けて置きます。写真ピンボケ。
アマゾンで購入したヘッドライトとスモール/ストップランプ用LEDが来ました。
こちらもアマゾンのスマホホルダです。ボール/ハンドルクランプ部がアルミ製で強度が高そうです。ボールの部分を残してクランプ部はカットして使います。
スモール/ストップランプのS25電球をLEDに交換しました。
日が落ちてきたので、LEDに交換する前のハロゲンのパターンを確認しておきます。左がLowビーム、右がHighビームです。
7月21日
エキパイが斑模様なので、研磨する予定です。ステンレスの焼け取り剤と耐熱ワックスを購入しました。
ヘッドライトをLEDに交換します。とりあえず手が届くロービーム側から、残念ながら点灯しませんでした。12V電源に接続したところ正常に点灯しました。極性が反転しているようです。
配線を入れ替えるよりも、ベース部を削って、180度回転できるようにヤスリで加工した方が簡単です。点灯しました。交換後のパターンは夕方から雨が降ってきたので延期します。
ハイビーム側はカウルを取り外さないと交換できないと思われます。念のためオーナーズマニュアルを確認しましたが、ヘッドライト単体の状態の交換手順が載っていました。全然、役にたたないです(笑)。とりあえず延期します。
スマホホルダの取り付けステーを作製する準備です。センタキャップのネジが切ってある所は水平から約32度角度が付いています。
7月22日
スマホホルダの固定ステーを作製します。センタキャップと同じ寸法のリングをアルミの端材から切り出します。ホルダのジョイントはボール部のみにします。
リングに溝加工をしてボール部を固定するネジを切ります。仮組みしてみます。良いようです。
リング部にセンタキャップに固定する穴開け加工を行います。インデックス盤にセットして、32度の傾斜を考慮して7個穴を開けしました。
早速、取り付けてみみす。良いようです。
万が一、ホルダからスマホが外れた時用にストラップ先のクリップを固定する落下防止リングを追加しました。
日が傾いたので、LEDのロービームのパターンを確認します。左がLED、右がハロゲンです。ほとんど同じみたいです。