削り出しカーボン11/29号
その6:クラッチの乾式化の準備
2023年
1月1日
フェイスブック、メール等の新年あいさつ用にテージのフロント部で作成した写真です。
1月2日
ebayに中古の湿式用のクラッチディスクが売りに出ていたので、クラッチハウジングの回り止め用に購入しました。値段が4000円とお手頃ですが、イギリスからの送料が本体よりも高いです。因みに、重ねた時の全幅は50.2mmとのことです。テージのエンジンワークショップマニュアルによると46.1mm以上あれば良いようです。テージから取り外した方の全幅は51.5mmでした。新品は3万円くらいで購入できます。
左のようなクラッチハウジングの回り止めを作るのは大変そうなので、右の851用に作製した回り止めと同じものを上で購入したドリブンディスクで作製します。到着が1月20日の予定なので、テージがら外した方を使えば直ぐに作製開始できます。
下はテージのパーツリストのSSTのページです。クラッチハウジングの回り止めは6番です。これは作製予定の物と同じような形です。プライマリギアプーラは8番でこれはムルチ1100と同じ物です。
一方、エンジンワークショップマニュアルのクラッチハウジングの回り止めはムルチ1100のパーツリストと同じSSTです。
プライマリギアの回り止めとナット回しはムルチ1100のパーツリストと同じSSTですが、テージのパーツリストにはありません。
プライマリギアプーラは市販の物を使えと書いてあります。パーツリストとワークショップマニュアルが一致していないです。
テージから取り外したドリブンディスクでクラッチハウジングの回り止めを作製しました。ドリブンディスクは厚みが2種類あるので、厚い2mmを2枚合わせて、ハンドルをTIG溶接しただけです。下が新しく作った湿式用です。
早速、クラッチハウジングを取り外してみます。
思ったほど、きつく締まってないです。取り外し完了しました。
クラッチのプッシュロッドの通るセンタ穴は13mmです。右は851のプッシュロッドのローラベアリングで、外径は12mmです。13mmを12mmにするカラーをセンタ穴に入れる必要があります。
1月4日
オイルポンプを外して、プライマリギアに朱肉を塗って型取りしました。回り止めのピンの位置の確認用です。
テージのクラッチのシャフトは851などの乾式系より短く、約67mmです。
一方、851は約77mmです。
851のクラッチ一式(カバーはロゴが新しいモンスタ用を使います)を確認します。上記のように851のクラッチをテージに移植するとシャフトが短いためにそのままではナットが掛からないです。これは既知の問題で、他の乾式化のWEBページでも書かれていました。そのページではスリッパクラッチのハウジングを削って対策していました。ナットが掛かるようにするにはどうしたらいいか思案中です。
1月5日
ヤフオクで購入のプライマリギア用のプーラ用の材料を購入しました。S50Cの9mm厚のフラットバーです。
クラッチハウジングのナットが掛からない対策ですが、クラッチドラムを削って、深さの深いブッシュをと長ナット作るのが通常です。当然、既存のものは焼きが入っています。ポンチを打って硬さを他の素材と比べてみます。ナットは小さい凹みができます。相当硬いことが分かります。45Cの丸棒から深いブッシュを作ることはできると思いますが、焼き入れはどこか専門の業者に熱処理してもら必要があります。クラッチドラム側も硬そうので旋盤では負けそうです。グラインダなら削れます。ナットが25番、ブッシュが23番、クラッチドラムは7番です。
ヤフオクで購入のプライマリギアのプーラ用のS50Cのフラットバーです。焼き入れしていないので、かなり凹みます。
近所のホームセンタで購入のプライマリギアの回り止め用に購入した9mm厚のSS400と思われる鉄板です。相当凹みます。
プライマリギアの回り止めやプーラを作るのにプラズマカッタを使います。テフロン樹脂でトーチカップのストッパをフライス盤で作製しました。久しぶりにCNCフライス起動しました。クリックすると2.8Mバイトの動画をダウンロードします。
すり割りをして完成です。トーチカップにセットしてみました。良好です。
1月15日
プライマリギアの回り止めを作製しました。ホームセンタで購入の9mm厚の鉄板にギアに合わせて6mmのボルトを立てて。ハンドルをTIG溶接しました。鉄板の材質はSS400と思われ、フライス盤でドーナツ形状に切削しましたが、途中で刃が切れなくなり、中断しました。残りはディスクグラインダで仕上げました。
以前に作製しておいたナット回しと組み合わせます。回止め、ナット回し双方とも、ハンドルを延長してどうにか緩みました。
試しに、汎用ギアプーラでプライマリギアを抜くと、すんなり抜けました。
外れたプライマリギアとロックワッシャ、ナットです。半月キーは小さいので失くさないように注意します。
モンスタS4のギアセットを組んでみます。スプライン、テーパとも勘合し、軸間も問題なく、スムーズに回ります。
プライマリのギアプーラの作製に材料を購入してありましが、必要無かったです。851のプライマリギアをどうしても外す必要が出たら、作製します(笑)。
1月16日
ebayで購入しておいた湿式クラッチ板が到着しました。予定より少し早く着きました。これで乾式化がとん挫しても元に戻せます(笑)。
1月17日
乾式系のクラッチギアは左の3ヶ所でシールしています。湿式のシャフトは短いので右のシャフトをシールするOリングがスプラインにかかってしまうという問題があります。
ギアには2個のベアリングが組み込まれています。手前のベアリングを薄いものにできればOリングを奥に移動できます。
とりあえず、ベアリングを抜くために、通販サイトでベアリングプーラを購入しました。ベアリングのインナに入れたロッドを広げて抜くタイプです。2つのベアリングの間にEリングが入っているため、ベアリングを押して抜くことはできません。また、2つのベアリングがスペーサを挟んで組んであるため、爪が薄いこのタイプでないと抜けないです。
早速、奥側を抜いてみます。簡単に抜けました。Eリングとスペーサを無くさないようにします。
残りの手前のベアリングとオイルシールは油圧プレスで押して抜きます。ベアリングは外径が47mm、内径25mm、奥のベアリングの厚みは12mm、手前は8mmでした。スペーサの厚みは1.5mmです。
外径が47mmのベアリングを調べていると、内径35mm、厚み7mmの物があることが分かりました。型番は6807です。内径の35mmはOリングの入っているスペーサの外径と同じです。早速、図面を書いてみます。手前の8mmのベアリングの代わりに内径が35mmの物を使うと、スペーサを8mm奥に移動でき、Oリングをスプラインの無い所まで移動できます。下がノーマル、上が変更後です。スペーサは8mm短くなりますが、ここはもう外の世界なので長さ合わせのスペーサを追加すれば対応できます。
早速、モノタロウでベアリングを購入しました。
1月25日
ビモータのロゴマークをデータ化してみます。PDFのパーツリストのロゴマークを拡大して、キャプチャします。
レタッチソフトで2値化し、bmpでセーブします。
FreeBSDで動くautotraceを使って中央抽出をしてみます。VMwareを起動して、−centerlineオプションを付けてdxfに変換します。結果は赤枠内がいまいちです。
−centerlineオプションを無くして、普通の輪郭抽出をしてみます。
正確に輪郭抽出されました。
輪郭抽出されたラインをトレースして、手動で中央抽出します。直線と円弧を組み合わせるだけで中央抽出できました。緑線が輪郭抽出されたライン、白線は中央抽出したラインです。
CNCフライスで中央抽出したラインをラジアスエンドミルで切削するとロゴマークを彫刻できると思います。因みにラインの幅は37mmになので、実際に切削する時には刃径に合わせて縮小する必要があります。
1月26日
左がフロントスイングアームのオリジナルのロゴマークです。クラッチカバーの赤枠にロゴを入れる予定です。切削できる厚みは要確認です。
クラッチギアに内径が35mmのベアリングを圧入しました。赤枠にOリングが接触する部分が確保できています。左がOリングが組み込まれているスペーサで、赤枠のOリングは奥側に寄っています。
スペーサをクラッチギアに仮止めしてみます。スペーサの外側端はオリジナルに比べ8mm内側に位置しています。ここにクラッチインナハウジングが位置決めされるため、別にスペーサを追加する必要があります。
センタナット用
1月30日
ebayでKbikeのスリッパクラッチを発注しました。到着は2月15日の予定です。
こちらはヤフオクで購入のセンタナット用のM20、P1.0のタップです。
こちらもヤフオクで購入のセンタナット用の直径55mmのS45Cの丸棒です。高速カッタで長さ300mmを100mmでカットしました。少しづつしか削れないので時間が掛かります。
カットした丸棒を旋盤に挟んで、11mmでセンタ穴開けして、その後16mmまで広げました、