削り出しカーボン11/29号
その8:クラッチの乾式化
リアディスクフローティング化
2023年
2月17日
プライマリとクラッチギアといっしょに購入したオイルポンプと元々付いていたポンプを比べてみます。左がヤフオクで購入のモンスタS4のポンプです。駆動ギアはどちらも同じ仕様です。モンスタS4のポンプの製造は刻印から1999年と思われます。一方テージの方は2007年です。ケースやギアも微妙に違いがあり、ギアの肉抜き穴が大きくテージの方が軽くできています。
テージの方は走行距離が2万キロということが分かっているので、元々付いていたオイルポンプを使うことにします。こちらはドカのロゴが付いています。デートコードは07です。
リアディスクを外すために、リアホイールを外します。フック式のスタンドに乗せたので簡単です。
ディスク単体にしました。採寸して図面を修正しました。
2月18日
リアディスクのインナロータを切削する位置決めジグを作製しました。
位置決めジグに3mm厚のアクリル板を乗せて試し切ります。初めに上側を切削します。
180度回転して、裏返し同じデータで切削します。
上下2回に分けて、試し切りが完了しました。切削が終わっても部品がバラバラにならないように一部を接続しておきます。
アウタと合わせてみます。外径は丁度良く、内径が少し大きく、ピン位置を少し内側にすれば良さそうです。もう一度図面を微調整して5mm厚のA7075板で本番の予定です。
2月19日
インナーロータの図面を修正しました。
モノタロウで購入の5mm厚のA7075板からインナロータを切り出します。位置決めジグに合わせて下穴を開けて、ジグに固定します。5mm厚を3回に分けて、2mmづつ切削します。板とエンドミルの隙間が0.5mm、板厚が5mm、ジグを0.5mm削って合計で6mmです。
切削中の動画を撮影しました。クリックすると約3.7Mバイトの動画をダウンロードします。
上側が完了したので、180度回転させて、さらに裏側にしてジグに固定し直します。
下側の切削も完了しました。
早速、外側と内側を外して、アウタに入れてみます。ピンも8個入りました。2個が少しきついので、後で修正します。内径と取り付け穴の加工も必要です。板厚は5mmですが、フローティングピンは4.5mm用のため、もう一段加工が必要です。
2月20日
取り付け穴の加工、内径ときついピンの箇所の微調整を行いました。ホイールに嵌めてみます。良いようです。あとは厚みを4.5mmにする加工が残っています。
ヤフーショップで購入のウエーブワッシャが到着しました。オーバー/サンスタに付いていたのは右の穴付き平ワッシャです。ブレンボ風にウエーブワッシャに交換します。
2月21日
インナーロータをフライス盤で5mmから4.5mmまで薄くしました。
サンドブラストして、フライス目を消します。
ハードアルマイトの見積回答がありました。19000円です。残念ながらサンドブラスト後にハードアルマイトの赤の実績が無いとのことで、色の着き具合が心配です。
2月23日
スリッパクラッチまだ届いていないです。そもそもスリッパクラッチを使うのは851のクラッチを加工して乾式化をするところを焼きの入った鋼より、ジュラルミンのスリッパクラッチを使った方が加工や新しく作る部品が簡単になるからでした。1/20日に注文して2/14に到着の予定でした。選択はebayの一番安いショップからの購入です。
以下ebayでのやり取り。
2/15に連絡。
まだ届いてないけど今どこにあります?
売主:DHLに確認して連絡します。
2/17に連絡
DHLで発送したのですか?
荷物には追跡番号が付きましたか?
今何処にあるか分かったら連絡してください。
売主:DHLで発送しましたが、ストライキで処理が遅れてるみたいです。来週には届く予定なので、直接連絡ができるようにメールアドレスを教えてください。
2/21に連絡
まだDHLから連絡がないけどどうなりました?
荷物には追跡番号が付きましたか?
税関手続きもあるので、今日あたりに日本についていないと週末に着かないと思いますよ。
売主:DHLに確認して連絡します。
売主:DHLに連絡したところ、ドイツでの運送料に問題がありました。UPS Expressで荷物を発送しました。新しい追跡番号は次のとおりです。
と、こんな感じです。ドイツのDHLがストを行っていたのは事実のようです。どうやら、ストとは別に発送ミスでドイツを出ていなかったようで、UPSの一番早いやつで送り直したとのことです。問題が無ければ来週前半には到着するはずです。
リアディスクのフローティング化でロータ厚が5mmから4.5mmに薄くなったので、0.5mmのシムワッシャをモノタロウで購入しました。リアディスクの固定ボルトはスピードメータのセンサ用なので、間隔が変わらないようにシムで調整します。
タイミングベルトの状態を確認するために、ベルトカバーを外そうと思ったのですが、固定ボルトを外してもカバーが外れる気配がありません。エンジンワークショップマニュアルを確認すると、タンクとリアシートを外す必要があるようです。メンテナンス性が悪くて有名なビモータですが、テージ1Dではアルミのサイドフレームを外す必要があったようです。それよりは大分良いです。でも、このマニュアルの写真はテージ3Dじゃないです(笑)。流石、イタリア!
タイヤが外れているので、普段アクセスきない所をクリーニングします。チェーンカバーとリアフェンダを外して、スイングアームを磨きました。
クラッチのセンタロッド用13mm−>12mmの変換スリーブのA7075棒が来ました。
タイミングベルトの点検のために、シートを外してタンクを緩めると、垂直側のベルトカバーは直ぐに外れました。垂直ベルトの外側の印刷はまだ、キレイに残っています。マーカ印もあり、交換されていることが分かります。水平側のカバーで取り付け部の突起が赤枠のスペーサと干渉しています。このシャフトを少し抜いて、スペーサを外せばカバーが前側に外せそうです。2010年と少し古いですが、ドカのフォーラムにこの話題があります。ココをクリック。前半でアルミサイドフレームを外す必要がるという記述がありますが、その後にスペーサを外せばベルトにアクセス出来るという記述があります。因みに、.msはモントセラトのドメインです。
2月24日
昨日の続きで水平側のベルトカバーを取り外します。大変でしたが、水平側のカバーも外すことが出来ました。1ヶ所取付部が割れてました。ここは修復したあとが有りました。
水平側のカバーは上で書いたスペーサの他にもう一つ前側のスペーサとイグ
ニッションコイルが干渉していました。イグニッションコイルは固定ネジを緩めて動くようにして、スペー
サは固定ボルトを外して、上に移動させました。水平側のカバーを半分に分割すると、次回からフレームのスペーサを移動させなくても良さそうです。ただ、純正のカーボン製を切るのは抵抗があります。DSエンジンのムルチやハイパモタードのカバーが安く入手できると良いです。
早速、ベルトを確認します。双方のベルトとも外側の印刷はまだ残っています。柔軟性も有り、張りも問題ないです。
スリッパクラッチのその後の追跡です。イタリアからドイツに移動した所まで追跡できています。予定では2/28に到着予定になっています。
2月25日
ヤフオクで、ハイパモータードのベルトカバーが落札できました。これなら気軽に分割できます。
スリッパクラッチのその後です。ドイツから深センに移動して大阪に到着したようです。
クラッチカバーの接触面をオイルストーンで面研しました。
クラッチのセンタロッドの変換スリーブの13mm側作りました。回しながら丁度入る寸法に削りました。
2月26日
センタロッドの変換スリーブを短く加工して、8.5mmの貫通穴を開けました。
スリッパクラッチのその後です。大阪から成田に移動して出発したようです。
2月27日
スリッパクラッチは午前中に到着しました。予定より約2週間遅れです。
奥に2mmのアルミワイヤで仮スペーサを作って、勘合させてみます。
ネジの出ている部分は約2.4mmです。ナットは約1周弱しか回らないです。
付属しているテンションワッシャと段付スペーサです。段付スペーサにはOリングが付属しています。ハウジングのスプラインの長さは約25mmです。ネジ部を出すために5mmほど削ると残るスプラインの長さは20mmくらいになります。
段付スペーサを幅広の部分のみに加工します。旋盤に挟んで、ディスクグラインダで切断してベルトサンダで仕上げました。厚みは約2.5mmです。切り落とした先に付いているOリングは今回は既にクラッチギア内に組み込んであるので必要ありません。
続いて、ハウジングのスプラインを削って、ナットが掛かる部分を作ります。
切り出した新しいスペーサとテンションナット、修正したハウジングを組み合わせて、ナットの掛かるネジの長さを確認します。約8.4mmになりました。この後、これに合うスペシャルナットを作製します。
2月28日
スリッパクラッチのハウジングに合わせて、以前タップでネジ切りしたS45C材からスペシャルナットを作製します。ハウジングに入るネジ部の外径加工して、スパイダスプリングが段の部分に勘合するか確認しました。
32mmのナット部の外径加工を行います。
高速カッタで切断して、端面加工します。
インデックス盤に付けて、32mmの六角ナット加工します。
右が完成したスペシャルナットです。左がスリッパクラッチに付属しているナット、上はスパイダスプリングです。
作製したナットでスリッパクラッチを仮止めしました。約7周ナットが回るようになりました。この後、何処かで焼き入れしてもらう必要あります。
3月1日
個人の熱処理を受けてくれる所がありました。見積依頼をすると1個330円だそうです。事務処理代にもならないくらい安いです。URLはここをクリック。
スペシャルナットはフランジ部に軽量穴開け加工しました。インデックス盤で3.5mmの穴を12個開けました。
3月2日
クラッチバスケットをインデックス盤に載せて、軽量穴開け加工を行います。10mmと15mmを16個加工しました。
面取りを行い、垂直側の軽量穴開け加工完了です。固定部はネジロック剤が多量に使われているため、はみ出たものが放射状に固まってます。多量に使われている理由はオイルのシールも兼ねているからです。バスケットが固定されるクラッチギアは貫通ネジなので、ギアの向こうはクランクケースでオイルが出てきます。止まりネジにすれば良いんじゃないかと思いますが、どうなんでしょう。
続いて、インデックス盤を90度傾けて、水平面の12個も10mmで軽量穴開け加工しました。
面取りをして軽量穴開け加工は完了です。ネジロック剤は剥離剤で落としました。
クラッチカバーにオイルシール、オイル確認窓を圧入しました。裏側はクランクシャフトのオイルシールを圧入してワッシャとEリングをはめて、完了です。
3月3日
クラッチカバーを閉める準備をします。プライマリギアを専用の回り止めで固定して、アストロで購入したトルクレンチで固定しました。トルクは約180Nmです。半月キーとワッシャ、ナットは851の部品取りエンジンから取った物を使いました。ワッシャは折り曲げて回り止めをします。
クラッチギアのスペーサに調達しておいたOリングを入れます。
スペーサとクラッチギアをセットしました。この後、オイルポンプを組み込めば、クラッチカバーを閉めることができます。
3月4日
オイルポンプを組み込ました。ポンプのOリングは柔軟性があったため、取り外した物をそのまま使いました。
クラッチカバーを仮止めしてみます。大きいオイルシールは新品のため、クラッチギアに嵌めるのが大変です。
クラッチバスケットも仮止めしてみます。クラッチギアの奥のスペーサを少し薄い物にしたため、バスケットとクラッチカバーのクリアランスが狭いです。バスケットの裏側を0.5mmほど削りました。
続いて、クラッチハウジングの裏側のスプリングロッドの余分に出ている部分も少し削って、バスケットの固定ボルトとのクリアランスを広げます。
クラッチ一式を仮止めして全体の雰囲気を確認します。到着が遅いのでキャンセルして、国内でSTM製にを買おうかと思っていたのですが、STMはプレッシャプレートも赤なので、KBikeの物を待って良かったです。
オイルフィラキャップはA5056材と思われるアルミの角棒の端材から作ります。初めに外径をノーマルのプラスチック製と同じ約37mmにしました。
3月5日
リアディスクのインナロータのハードアルマイトの赤が上がってきました。沈んだ赤の艶消しになっています。早速、アウタと組わせました。裏側はウエーブワッシャに変更しました。
3月6日
ホイールに付けて車体へ戻しました。パッドも減っているので新し物と交換予定です。
オイルフィラキャップの続きです。ネジはM22のピッチ1.5mmです。旋盤のネジ切りギア30/80/100をセットしました。
ネジ切りチップ(60度)を使って少しづつ切り込みます。規定の深さまで切ってたところでクラッチカバーに取り付けて確認します。良いようです。
続いて、外形を削って、センタ穴とOリング用の溝も削ります。
ブリーザパイプ部を作って、ほぼ完成しました。このままでは回せないため、この後、フランジの周囲に穴を開けます。
3月7日
オイルフィラキャップをインデックス盤に付けて、フランジ部に12個の穴を開けました。
サンドブラストをして、Oリングを付けてクラッチカバーに取り付けてみます。Oリングがあるので、手では回せません。
オイルフィラキャップの専用レンチの図面を作成しました。
3月8日
昨日作成した図面でオイルフィラキャップの専用レンチを作製します。
外形を切り出し後、3mmのピンを立てて完成です。早速、キャップを閉め込んでみました。良いようです。
リアのバッドを購入しました。面取りをして、組込みました。