削り出しカーボン11/29号
その9:クラッチの乾式化
分割ベルトカバー作製
2023年
3月10日
クラッチカバーを乾式のモンスタの物に交換すると、油温センサを付ける所が無くなります。そこで、油圧スイッチから分岐して油温センサを取り付ける分岐アダプタを
作製することにしました。写真の上が油圧スイッチで、アルミのワッシャを使ってクラッチカバーにネジ止めされています。写真の下がテージの湿式クラッチカ
バーについていた油温センサです。こちらはワッシャを使わずにネジ止めされています。油圧スイッチのネジは山径が約9.8mm、ミリのピッチゲージだと
1.0mmが合っているように見えます。試しに10mmのピッチ1.0のタップを油圧スイッチのネジに合わせても勘合しません。オイルやガスなど圧力がかかる配管には管用ネジが使われます。管用ネジには平行とテーパがあり、ワッシャを使うのが管用平行ネジ、そのままねじ込むのが管用テーパネジです。油圧スイッチはインチ呼び1/8管用平行ネジ、油温センサはインチ呼び1/8管用テーパネジということが分かりました。呼び1/8管用テーパネジは良く使われるので、タップがあります。一方、平行ネジのタップ/ダイスは手持ちがありません。入手する必要があります。呼び1/8管用ネジのピッチは28/inchで約0.9mmです。因みに、油温センサを90度右に向けるにはワッシャの厚みを調整することになります。早速、アダプタの図面を作成しました。
油温センサの分岐アダプタを作製しました。センサの1/8管用テーパはタップを使ってネジ切りしました。
1/8管用タップをヤフオクで購入しておきました。
1/8管用ダイスもヤフオクで購入しておきました。
こちらは、クラッチプレッシャロッドの13mmー>12mm変換スリーブです。ニードルローラベアリングを入れて、外径12.5mmのOリング用の溝を作りました。右はオイルシールも圧入したところです。
851の部品取りエンジンから外したクラッチプレッシャロッドにオリジナルのロッドと同じ位置に、Oリング用の溝を作ります。1.0mm幅のディスクグラインダで溝入れしました。
元々あった中と新しく溝を作った右側の2個の溝にOリングを入れました。
ベルトカバーの固定ネジはステンレスキャップボルトが使われていました。カバーはカーボン製のため、きつく締められていないです。そこで、モノタロウでM6のアルミキャップボルトを購入しました。
そのまま使うのも何なので、頭を10度加工しました。チタン製より断然軽いです。
3月12日
分岐アダプタのメネジ側を少し削りました。ヤフオクで購入したタップとダイスが到着しましたが、どうもサイズが違いました。良く調べると、元の10mmのピッチ1.0が正解でした。タップには溝部があるため、クラッチカバーの油圧スイッチのネジに合わせてもスムーズに回らず、勘合しないように見えてしまったようです。ちょっと失敗です(笑)。
手持ちの10mmのピッチ1.0のタップでメネジを切ります。
続いて、同じく、10mmのピッチ1.0のダイスでオネジを切りました。
油温センサと分岐アダプタを合わせてサンドブラストしました。
分岐アダプタの作製完了しました。アルミワッシャの厚みを調整して油温センサが右に向くように調整して取り付けました。
3月13日
ヤフオクで購入のベルトカバーを分割できるように改造して、フレームのスペーサを外さなくてもベルトにアクセスできるようにします。上がヤフオクのハイパーモタードのカバー、下がオリジナルです。
水平側のカバーは5mmほど厚いので、オリジナルと同じ厚みにケガキを入れて、ディスクグラインダで側面のみにしました。
カットした部分を仕上げました。
お手本にする、ebayで売っているスケルトンタイプのカバーです。枠はアルミ製の様です。こちらはカーボンとポリカーボネートで作製して軽量に作ります。アクリルの耐熱は80℃くらいなので、ポリカーボネートを使います。
3月14日
側面のみにした水平側のベルトカバーを仮止めして、各所のクリアランスを確認します。
オイルフィルタは赤枠の部分ですが、手前のフロントのエアダンパが邪魔をしてアクセスしにくいです。
デイトナでドカ用のオイルフィルタレンチがあったので購入しました。
3月15日
早速、オイルフィルタを取り外しました。かなりきつく締まっていて、外すのが大変でした。ゴムのリングもかなり変形していました。このレンチはオイルフィルタに嵌ってしまうので、プラハンで叩かないと抜けないです。
ベルトカバーの透明ポリカーボネートを支えるステー用の5mm厚ブラウンのポリカーボネート板をモノタロウで購入しました。端をディスクグラインダで切り取ってみましたが、溶けた部分がバリで残ります。WEBの情報によると、レーザ加工では塩素ガスが発生するとのことです。フライス盤で切削した方が良さそうです。
スペシャルナットの熱処理、上がってきました。
3月16日
乾式化の続きです。乾式用の851のクラッチロッドを入れてクラッチプレートを仮止めします。スプリングでプレート全体を左に寄せて、ロッドの突き出し量を確認します。
左側の突き出し量は約27mmでした。
図面を作成して、足らない長さを確認します。乾式用の長いロッドを使っても約12mm足らないことが判明しました。ロッド径は8mmなので、ホームセンタでM8の高強度12.9ボルトを買って加工し、レリーズピストンに足らない分を入れれば良さそうです
右側のエンジンカバーは乾式化に伴って必要無くなります。というか付けられなくなります。バランスを取って左側のカバーも外したいです。下はオリジナルのカーボンカバーです。
左側カバーを外すと、スプロケットがむき出しになります。
851のプラスチック製を合わせてみました。なかなか良い感じです。
ヤフオクで検索すると昔の851に合うカーボン製のスプロケットカバーが売りにでていたので、購入しておきました。
3月17日
分割ベルトカバーの続きです。緑ラインのような連続的な枠を作るのは大変なことが分かりました。切り取った所に丁度Rが付いていて、裏側の形状が一定で無いです。そこで、赤枠のように小さいステーを複数付けることにしました。
早速、図面を作成して、CNCフライスで1個切り出しました。
一度に4個を切り出す図面を作成しました。
ステーは合計で8個切り出しました。バリがかなり出ます。
クラッチレリーズシリンダとスプロケットカバーのステンレスキャップボルトに10度加工をしました。
ヤフオクで購入のカーボンのスプロケットカバーが到着しました。
近くのホームセンタでM8の高強度12.9キャップボルトを購入してきました。クラッチロッドの足らない分です。
3月18日
クラッチロッド用に購入した12.9キャップボルトの頭を取って、延長ロッドの先端を半球に加工しました。
延長ロッドを約13mmで切断しました。
元のクラッチロッドの先端の半球は切断します。
クラッチロッドの13mmー>12mm変換スリーブをクラッチシャフトに圧入しました。
変換スリーブはローラベアリングとオイルシール分が長いので、コントロールピンを干渉しないように丁度ツバの部分まで削りました。
作成した13mmの長さ調整ロッドをクラッチレリーズピストンに入れて、クラッチ動作の動画を撮りました。クリックすると約860Kバイトの動画をダウンロードします。
ヤフオクで購入のフロントスプロケットカバーは調整が必要でした。851用プラスチック製と重ねると、大きいことが分かります。ケガキを入れて、削りました。
スプロケットカバーの取り付け完了です。左側のフレーム全体です。カバー無しで行きます。
3月19日
クラッチロッドを右側に抜いた時にクラッチレリーズピストン内の延長ロッドも抜けないように、レリーズピストン内にきつめに入るようにポンチを打ちました。後ろ側は3mmのネジを切って、ピストンから抜けるようにします。クランクケース内の構造が不明ですが、延長ロッドは短いので移動すると、クランクケース内に落ちてしまうかもしれません。
クラッチカバーを閉じます。Oリングを忘れないようにします。シリコンガスケットを塗って〜
クラッチカバーの取り付け完了です。
クラッチバスケットをネジ止めしました。軽量穴を使って回り止めをしました。固定ボルトには多めにネジロック剤を付けておきます。
続いて、昔作った851用のクラッチ回り止めを使って、トルクレンチでセンタナットを固定しました。
プレッシャプレートとインナのクリアランスを確認します。KBikeの紹介動画で6mm〜7.5mmに指定されています。因みにディスクを入れる順番も動画内で分かります。動画はここをクリック。
指定の順番でクラッチディスクを入れて、スプリングも6個付けて約7.15mmでした。良好です。
オイルを調達しました。乾式なので、4Cと共通にしました。2個買うと送料無料になります。
3月21日
5mm厚のポリカーボネート板から切り出したステーを先端の一番狭い所に固定してみました。クリアランスは確保出来ています。カバーとステーは2mmのキャップボルト2個で固定してあります。カバーは3mmのネジで固定します。水平カバーのステーは合計で9個必要です。
追加で4個切り出しました。
左右のエンジンカバーは使わないため、固定用のステーを取り外しました。鉄製のため、結構な重さです。
3月23日
ステーを固定する2mmキャップボルトの長さを4mmに短くしました。
ステーを9ヶ所取り付けました。
ヤフオクで購入のクリアカバーの固定用、3mmフランジ付ボタンキャップボルトが到着しました。
こちらはアマゾンのクリアカバーの2mm厚のポリカーボネート板です。
垂直側はテージのオリジナルカバーを付けて、水平側カバーのクリアランスを確認します。駆動プーリのシャフトがカバーより少し高いです。穴を開けて、カバーの厚み分の2mm高くすれば良さそうです。
3月24日
ロトボックスのカーボンホイールがショップに到着したとの連絡がありました。予定より少し早かったです。車検が切れているので、4月中くらいにショップに持ち込んで交換をる予定です。
オリジナルと側面の間にクリアのポリカーボネートを入れて、側面に合わせてラフに切り取ります。
クリアと干渉する、駆動プーリの位置をマークします。
3月25日
側面に合わせて、クリアカバーを仕上げました。駆動プーリと干渉する所は穴を開けました。
垂直側の作業を開始します。ハイパーモタードのカーボンカカバーに9mmの高さでケガキを入れました。
3月26日
水平側のカバーにはプラグキャップの穴を開けるためにマークします。
水平側のカバーが完成しました。駆動プーリとプラグキャップはただ穴が開いているだけです。
垂直側のカーボンカバーもケガキに沿って側面だけにしました。それに合わせて大まかに透明カバーも切り出しました。
垂直側のステーを5mm厚のポリカーボネートから5個切り出し、固定用のネジをタップで切りました。2mmと3mmです。