XYZテーブル用Co2レーザユニット作製

第2回目

昔、もらったCNC-XYZテーブルに取り付ける

Co2レーザユニットを作製していきます。




2014年
9月13日
通販で購入したレーザチューブを入れるアクリルが送られてきました。外形75mm、内径70mmです。そのままではチューブが中心にならないので切欠きを作ります。大体の形をマジックで書きます。


大まかにディスクグラインダで加工後、フライスで仕上げます。


9月14日
先週からの続きです。チューブを固定するステーの作製です。外径を約60mmにしました。


突っ切って2個作製しました。ステーは簡易コンタで3分割にして、その後、固定用のネジの嵌る窪みを付けます。


ケース側は5mmのタップを立てます。仮止めしてみます。3つのネジを調整して中心を出せます。良いようです。


切欠きとチューブの固定が完了しました。左はテーブルに付けた時にになる方です。右は発射側で下側になります。


ポリプロピレンで上側のキャップを作製しました。


続いて先端ノズルを固定するアダプタです。ノズル径は20mmです。


キャップアダプタを仮止めします。



ヤフオクのショップで購入したエアーアシスト用の空気ポンプです。鑑賞魚用のブクブクです。配管チュープはレーザに付いていたシリコンチューブです。


こちらは先週ヤフオクで2個しか購入できなかったフォトインタラプタモノタロウで追加購入しました。切り替えスイッチ用のケースも購入しておきました。


先端ノズルを作製します。20mmのアルミ2017材から削ります。レンズは12mmなので先端まで10.5mmで穴を開け、先端から40mmの所まで12mmで穴を広げました。先端の穴の直径は3.5mmにしました。


先 端ノズル集 光レンズをセットします。レンズはセレン化亜鉛の結晶で表面にコーティングしてあります。レンズといってもほとんど平面です。レンズ 固定用のOリングを買うのを忘れてましたので、臨時で水冷配管用のホースで代用しました。焦点距離は約50mmです。ノズルの先端から10mmの所で集光 することになります。


レーザチューブがケースに入ってレンズも付いたので5mmアクリルに発射してみます。ボリュームは中。発射して0.5秒くらいで5mmのアクリルを貫通しているようです。クリックすると動画を再生します。


レー ザ加工時は下側にレーザが突き抜けるので何か敷くものを用意しないといけません。通常20〜25mm厚のハニカム状の敷き板を使います。オークションなどでも購入できますが、結構高いので、自作します。をいっぱい並べて代用します。釘と接着剤を近くのホームセンダで購入し てきました。下板には燃えにくそうなケイカル板を使います。試しにケイカル板の切れ端に釘を接着しました。


動画で使った5mmのアクリル板を会社に持ってきました。顕微鏡写真です。上に比較用の電線を置きました。芯線部は0.33mm、被覆部は0.6mmです。手動で発射スイッチを押したので左右で穴の大きさが違ってます。ちなみに双方とも電線の被覆部は貫通しません。表面の斜め右下に凸部が見えます。レーザ発振が安定するまでビームが円にならず変形しているためと思われます。


5mmアクリルの断面です。当然ですが先細りになります。



9月16日
どのようにXYZテーブルを制御するか考える必要があります。ハードウェアは3Dプリンタ用をそのまま使います。ファームも Marlineのままです。Gコードの出力はHeeksCNCを使います。面倒な工具半径の処理も設定の通り処理してくれます。レーザでも上の顕微鏡写真から0. 2〜0.25mmの工具半径を持っていることになります。
HeeksCNCが出力するGコードを調べてみます。まず、使い慣れたQcadで2Dの簡単な図面を書きます。DXFでセーブします。


HeeksCNCで直径0.5mmダミーのエンドミルを登録しておきます。その後、Qcadで作成したDXFをインポートします。


HeeksCNCインポートした図形はエンティテイ0になりました。これを選択してプロファイルオペレーション3mm厚のアクリルを切る事を仮定して以下の設定をしてみます。
・clearance height=8(アクリルの厚さ3mm+5mm(ノズル先端からの焦点距離の半分)=8mm)
・rapid safty space=0
・start depth=
8(clearance heightと同じ8mm)
・final depth=7.9(start depth-0.1(ダミーの切り込み)=7.9mm)
・step down=0.2(8−7.9=0.1を1回で切るということです。同じ0.1にすると2回パスができるようです。ダミーの切り込み幅より大きければ1回のパスになります)
ツールに登録した直径0.5mmのエンドミルを選んでポストプロセスを実行するとGコードが生成されます。


エンティテイ0(DXFオブジェクト)を非表示にするとGコードだけに表示され見やすくなります。赤線=G00(高速移動)、緑線=G01/02/03(直線、円弧補間移動)です。G02/03が円弧補間です。Marline はG02/03を受けられるので基本的なところは問題なさそうです。問題はレーザの発射タイミングをGコードに埋め込む必要があります。要は下図で緑の所のみレーザを発射する必要があります。フライス用なので主軸モータの制御が入っていますが、先頭でON、終了時にOFFでテーブルが移動している間は回りっぱなしです。これをレーザのON/OFFには使えません。


の部分を良く見ると元のDXFには無いデータが余分付いています。上の3つの円と四角とも切りはじめと切り終わりに円弧が付いています。HeeksCNCが出力したのはフライス用のGコードですが、これはレーザ加工でも有効そうです。上の顕微鏡写真の通り発射直後はビームの形も不安定です。この余分な部分でレーザを貫通させてから必要な部分を切っていけば、綺麗に加工できるはずです。


HeeksCNCの0.18.0が生成したGコードは以下のようになりました。シーケンス番号付です。

O123(Test program)
N10G10L1P1 R1.500Z15.000
N20G10L1P2 R3.000Z63.500
N30G10L1P3 R3.000Z63.500
N40G10L1P4 R1.500Z63.500
N50G10L1P5 R7.990Z63.500
N60G10L1P16 R0.250Z63.500
(tool change to 0.5 mm Carbide End Mill)
N70T16M06
N80G17G90G21G54
(Sketch)
N90G00X62Y52.25S7000M03
N100G00Z8
N110G01Z7.9F700
N120G02X60Y50.25I-2J0F840
N130G01X20Y50.25
N140G02X18Y52.25I0J2
N150G00Z8
(Sketch)
N160G00G90X62.25Y18
N170G00Z8
N180G01Z7.9F700
N190G02X60.25Y20I0J2F840
N200G01X60.25Y50
N210G02X62.25Y52I2J0
N220G00Z8
(Sketch)
N230G00G90X18Y17.75
N240G00Z8
N250G01Z7.9F700
N260G02X20Y19.75I2J0F840
N270G01X60Y19.75
N280G02X62Y17.75I0J-2
N290G00Z8
(Sketch)
N300G00G90X17.75Y52
N310G00Z8
N320G01Z7.9F700
N330G02X19.75Y50I0J-2F840
N340G01X19.75Y20
N350G02X17.75Y18I-2J0
N360G00Z8
(Sketch)
N370G00G90X22Y77.25
N380G00Z8
N390G01Z7.9F700
N400G02X20Y75.25I-2J0F840
N410G03X14.75Y70I0J-5.25
N420G03X20Y64.75I5.25J0
N430G03X25.25Y70I0J5.25
N440G03X20Y75.25I-5.25J0
N450G02X18Y77.25I0J2
N460G00Z8
(Sketch)
N470G00G90X42Y77.25
N480G00Z8
N490G01Z7.9F700
N500G02X40Y75.25I-2J0F840
N510G03X34.75Y70I0J-5.25
N520G03X40Y64.75I5.25J0
N530G03X45.25Y70I0J5.25
N540G03X40Y75.25I-5.25J0
N550G02X38Y77.25I0J2
N560G00Z8
(Sketch)
N570G00G90X62Y77.25
N580G00Z8
N590G01Z7.9F700
N600G02X60Y75.25I-2J0F840
N610G03X54.75Y70I0J-5.25
N620G03X60Y64.75I5.25J0
N630G03X65.25Y70I0J5.25
N640G03X60Y75.25I-5.25J0
N650G02X58Y77.25I0J2
N660G00Z8
N670M02



Gコードの内容からレーザのON/OFF制御の方法を考えます。現在レーザの出力調整はボリュームが接続されています。この端子はロジックレベルのPWMを受け付けるようです。3DプリンタでPWM制御しているのはベッドのヒータ、Extruderのヒータ、FANの回転数です。ファームを修正しないで簡単に流用できるのはFANの回転数です。そのまま12Vのパルスが出力されています。コマンドも用意されていてM106 SxxxでPWMxxxでONM107OFFです。HeeksCNCの出力したGコードから以下のルールでレーザの制御をすればよいと思われます。

・ファイルの先頭に”M107”(レーザOFF)を入れる
・G01ZxxFyy :Fyyの速度でxxまで切り込むー>現在レーザOFFなら”M106 Sxxx”を次の行に入れる−>レーザON
・G00Zxx:現在レーザがONなら”M107”を
の行に入れるー>レーザOFF
・ファイルの最終行に”M107”(レーザOFF)を入れる

早速、フィルタプログラム(以前作ったGコードをCNCフライスの内部コードに変換するプログラムを流用)を作ってHeeksCNCの出力したGコードにレーザのON/OFF制御を入れてみました。の行が追加した行です。分かりやすいようにパラメータの間にスペースを入れてシーケンス番号を削除しました。

M107 (=================> OFF)
O123(Test program)
G10 L1 P1 R1.5000 Z15.0000
G10 L1 P2 R3.0000 Z63.5000
G10 L1 P3 R3.0000 Z63.5000
G10 L1 P4 R1.5000 Z63.5000
G10 L1 P5 R7.9900 Z63.5000
G10 L1 P16 R0.2500 Z63.5000
(tool change to 0.5 mm Carbide End Mill)
T16 M6
N70T16M06
G17 G90 G21 G54
(Sketch)
G00 X62.0000 Y52.2500 S7000 M3
G00 Z8.0000
G01 Z7.9000 F700
M106 S127 (<---------------- ON)
G02 X60.0000 Y50.2500 I-2.0000 J0.0000 F840
G01 X20.0000 Y50.2500
G02 X18.0000 Y52.2500 I0.0000 J2.0000
G00 Z8.0000
M107 (-----------> OFF)
(Sketch)
G00 G90 X62.2500 Y18.0000
G00 Z8.0000
G01 Z7.9000 F700
M106 S127 (<---------------- ON)
G02 X60.2500 Y20.0000 I0.0000 J2.0000 F840
G01 X60.2500 Y50.0000
G02 X62.2500 Y52.0000 I2.0000 J0.0000
G00 Z8.0000
M107 (-----------> OFF)
(Sketch)
G00 G90 X18.0000 Y17.7500
G00 Z8.0000
G01 Z7.9000 F700
M106 S127 (<---------------- ON)
G02 X20.0000 Y19.7500 I2.0000 J0.0000 F840
G01 X60.0000 Y19.7500
G02 X62.0000 Y17.7500 I0.0000 J-2.0000
G00 Z8.0000
M107 (-----------> OFF)
(Sketch)
G00 G90 X17.7500 Y52.0000
G00 Z8.0000
G01 Z7.9000 F700
M106 S127 (<---------------- ON)
G02 X19.7500 Y50.0000 I0.0000 J-2.0000 F840
G01 X19.7500 Y20.0000
G02 X17.7500 Y18.0000 I-2.0000 J0.0000
G00 Z8.0000
M107 (-----------> OFF)
(Sketch)
G00 G90 X22.0000 Y77.2500
G00 Z8.0000
G01 Z7.9000 F700
M106 S127 (<---------------- ON)
G02 X20.0000 Y75.2500 I-2.0000 J0.0000 F840
G03 X14.7500 Y70.0000 I0.0000 J-5.2500
G03 X20.0000 Y64.7500 I5.2500 J0.0000
G03 X25.2500 Y70.0000 I0.0000 J5.2500
G03 X20.0000 Y75.2500 I-5.2500 J0.0000
G02 X18.0000 Y77.2500 I0.0000 J2.0000
G00 Z8.0000
M107 (-----------> OFF)
(Sketch)
G00 G90 X42.0000 Y77.2500
G00 Z8.0000
G01 Z7.9000 F700
M106 S127 (<---------------- ON)
G02 X40.0000 Y75.2500 I-2.0000 J0.0000 F840
G03 X34.7500 Y70.0000 I0.0000 J-5.2500
G03 X40.0000 Y64.7500 I5.2500 J0.0000
G03 X45.2500 Y70.0000 I0.0000 J5.2500
G03 X40.0000 Y75.2500 I-5.2500 J0.0000
G02 X38.0000 Y77.2500 I0.0000 J2.0000
G00 Z8.0000
M107 (-----------> OFF)
(Sketch)
G00 G90 X62.0000 Y77.2500
G00 Z8.0000
G01 Z7.9000 F700
M106 S127 (<---------------- ON)
G02 X60.0000 Y75.2500 I-2.0000 J0.0000 F840
G03 X54.7500 Y70.0000 I0.0000 J-5.2500
G03 X60.0000 Y64.7500 I5.2500 J0.0000
G03 X65.2500 Y70.0000 I0.0000 J5.2500
G03 X60.0000 Y75.2500 I-5.2500 J0.0000
G02 X58.0000 Y77.2500 I0.0000 J2.0000
G00 Z8.0000
M107 (-----------> OFF)
M2
N670M02
M107 (=================> OFF)