アルドウィーノを使った
オープンソース、オープンハードの
ローコストECU
テージのECUが壊れているみたいなので
Speeduino(STM32)に装換しました。
その16:
点火マップ、試走その後、燃調マップ調整
2024年
10月25日
点火マップの続きです。以前、マップが17度から始まっているので、3度からになるようにトリガアングルを設定しました。この設定では点火が上死点後になって、エンジン始動しないです。トリガアングルの135−15=120というのは間違えでした。再度確認します。エンジンエミュレータと予備のSpeeduinoを使って、トリガアングルが135度、進角が17度に設定します。
セカンダリパルスをトリガにして水平側の点火パルスを測定します。約30mSec手前で通電開始しています。
進角を3度に固定します。
オシロでタイミングを見ながら、トリガアングルを調整します。150度の時に手前30mSecで通電開始になりました。これで3度から始まる点火マップが使えます。
新点火マップとメータユニットの揺れ止め突っ張り棒の効果確認ため、5kmほどのスタンドでガソリン補給、ついでにスーパで買い物をしてきました。メータユニットの揺れは解消、トリガアングルの設定も問題無いようです。メータユニットのギアラーニングをしましたが、一般道では前がつかえて、4速までしか入らないです。後で高速道路で再設定します。
10月26日
高速に乗って、メータユニットのギアラーニングを行いました。嵐山PAでラーニング開始、1〜6速に入れてラーニング完了しました。カウルに付いているドライブレコーダ画像ですが、スマホとWIFI接続していないので日付がリセットされています。クリックすると約26Mバイトの動画をダウンロードします。
メータユニット内の燃調計が4000〜5500回転でアクセルが開いている時に18〜19を示して、薄く、力も無いことが判明しました。高速を下りて、アクセルをアイドリングから開けて行った時のログを取りました。5000回転、アクセル開度46%付近でAFRが19です。あまり薄いとエンジンにも良くないです。
10月27日
高速で燃調を調整中です。嵐山PAで休憩中。上の方が18〜19だったのが、16付近に濃くなりました。
発進時のクラッチのジャダーが気になります。
ついでに、業務スーパで買物して帰りました。
ジャダーはクラッチ板を組み直してみます。
10月28日
メータユニットの揺れ防止の突っ張り棒は効果があって良さそうなので、ちょっと軽量加工してみました。
燃調を調整するにあたり、ログビューアを勉強中です。SDカードへのログは1秒あたり10に設定しています。無償版のビューアは500ポイント以上は読み込めないので、ログを50秒以内で止めておけば全体が見えます。因みにSDカードログ開始は右ハンドルの汎用スイッチで開始します
が、回転が上がっている状態で開始すると、一瞬、息つきします。これはSDカードの書き込み開始処理のために点火、噴射が間に合わないためと思われます
。
ログビューアはグラフをドラッグすると範囲指定ができて最大、最小、平均が表示できます。
ヒストグラムで各座
標を設定すると燃調表示できます。これをフィードバックして調整すれば改善できると思います。
座標上にカーソル移動するとヒットしたカウント値が表示されます。
10月30日
ログビューアの勉強の続きです。Z軸は別の値との引き算ができるようです。少なくとも同じ系列でいないと意味が無さそうです。例えばTPSとTPS DOT、VE1とVE2などです。現状、何に使うのか不明です。
続いて、XYZの各軸は小数点以下の桁数が指定できます。下はX軸の回転数は0、TPSとVE1(噴射量)は小数点以下1の設定です。
Z軸の色は値とヒット数で2種類の指定ができます。下は値を指定した時です。
下はヒット数を指定した時です。
Z軸の値を表示するフィルタ用のスライダが2個あり、上がMinimum Individual Hit Weightです。訳によると、
”各ヒットを含める前の最小重み。これはセルの最端にヒットするデータ
をフィルタリングするために使用できる。有効な値は0.0〜1.0であり、1に近いほど、ヒットがより中央に位置する必要があります。0の場合、すべての
ヒットは関連する重み付けとともにカウントされ、1の場合、中央に直接ヒットがある場合にのみカウントされる。”
とのことで、簡単に要約すると、端のセルをフィルタするようです。
下はMinimum Total Hit Weightです。訳によると、
”セルが表示される前に持っていなければならない最小の累積重み。これは、値を生成するデータがあまりない値を表示するセルをフィルタリングするために使用できます。”
とのことで、簡単に要約すると、ヒット数の少ないセルをフィルタするようです。
Z軸に表示される値は平均、最小、最大から選択できます。デフォルトは平均です。
XとY軸の目盛設定はデータから自動生成できます。これを指定すると元に戻すのに、再度設定しなければならないようで、指定しない方が良さそうです。因みに初めにTunerStudioと同じ座標の目盛設定を手動で入力します。ログビューアを閉じても設定は残っています。
上記のスライダの2つの重み付けフィルタとは別に、右上にデータフィルタが5種類あります。これらは条件に一致すれば、Z軸の値が非表示になる単純なフィルタです。例えば、Z軸にAFRを設定し、範囲スライダでデータ範囲を広げると、66.0や100.0が出現します。これらは不用意に入ったデータと思われますが、AFRで66や100は無意味です。
”AFR Out of range”を有効にすると、66や100は消えて見やすくなります。
データフィルタは条件を数式入力して新しく作成することができます。因みに、”AFR Out of range”は20より大きく、10より小さい時に非表示になる条件が指定されていました。
10月31日
ログビューアに散布図を表示する機能があるので使ってみます。サンプル数が少ないので散布のドット少なくて見えにくいです。各軸の範囲はログデータから自動的に設定されます。不用意に入ったとみられるデータを削除してから再生しました。クリックすると、小さい動画をダウンロードします。
11月1日
マップを少し修正して、燃調の確認で試走路を走っていると、Uターンの時に焦げている感じがしました。ガレージに戻ってタンク、スロットルボディを外して確認すると、レギュレータのコネクタが溶けてました。断熱グラスウールが巻いてあるので、探すのが大変でした。1198SPの時と同じ現象です。
車体右側に設置してあるレギュレータです。元々付いていた純正品と思います。レギュレータがショートモードで故障すると、電流が多く流れて接触抵抗の大きいコネクタ部が焼損するのではと思います。
異変の前に数個ログが取れました。下が濃くて、上が薄いです。
ヤフーオークションで中古のヤマハ用FETレギュレータを購入しました。コネクタは廃止して直結で使う予定です。
11月2日
レギュレータ故障の続きです。ケーブル焼損の状態を確認します。レギュレータの配線の他、緑枠のサイドスタンドスイッチの配線も溶けてました。
レギュレータが到着したら直ぐに取り付けられるように、配線を直しておきます。レギュレータの入力側は250型の3極の手持ちが無かったのでギボシに変更しました。絶縁は熱収縮チューブで行います。
サイドスタンドスイッチの配線も途中で切って継ぎ足します。
レギュレータの出力側は以前と同じ4極の250型コネクタです。サイドスタンドスイッチも以前と同じTycoタイプの2極コネクタを圧着しました。中古で購入のFETレギュレータはサイズが異なるので変換ステーを作る必要があります。
11月3日
ヤフーオークションで購入のFETギュレータが到着しました。送料別で7700円でした。アルミの錆も無く、外観は良いです。
コネクタのハウジングの外側を削って、端子を出します。取り付け穴の寸法が少しだけ狭く、変換ステーが作りにくいので、レギュレータに直接加工しました。フライス盤で6mmの半穴と六角穴付きボルトの頭が入る12mmの段加工しました。
ケーブルを緑枠の所で直接半田付けして、取り付け完了です。レギュレータは高さが少し高いですが、ギリギリ収まりました。
11月4日
レギュレータの入力側のギボシ端子はヒートガンで熱収縮チューブを収縮させて絶縁しました。
断熱グラスウールはシート下に貼って、全部使ってしまったので、アマゾンで再購入しました。
今回はレギュレータとサイドスタンドスイッチ、O2センサの2つに分けて耐熱グラスウールを巻きました。これなら、レギュレータの配線が焼損しても、他の配線は影響が無いと思います。
タンクが外れているので、垂直気筒のベルトカバーのステーをアルミに交換しました。赤枠の2個が破損していました。5個交換して完了です。
スロットルボディ、エアフィルタボックス、タンクをとベルトカバーを戻して、エンジンを始動させてバッテリ電圧を確認します。14.4Vで、レギュレータが機能していることを確認しました。
早速、燃調を確認するために、試走してログビューアで確認します。全体的に濃く、緑枠の5000〜5500が薄くなっています。
11月6日
ログビューアを見ていると、ガンマリッチメントという補正が109%になっていました。Speeduinoのマニュアルにはこの文言は無いので、ネットで検索すると、Speeduinoのフォーラムに質問がありました。”ウォームアップ、O2センサ、気温、気圧を含む補正”とのことです。現在、O2センサと気圧の補正無しの設定です。
ウォームアップ補正を選ぶと、101%になっていました。
ウォームアップ補正はクーラント温度(油温)によって行われるので、クーラント温度を選ぶと、80℃になっています。これはまだ完全に温まってないということで、問題無さそうです。この季節であれば95℃くらいまで上がると思います。
気温補正を選ぶと、108%になっています。これは濃い方に効きすぎです。ウォームアップ補正の101%と合計でガンマが109%になるようです。
気温を選ぶと、19度になっています。気温はIATでは無く、MATなので混乱します。
現在の温度補正マップは燃調調整ボリュームで大幅な可変ができるように通常とは違う設定にしてありました。これを元に戻して、再測定します。
11月12日
温度補正マップを元に戻しました。
上が濃いので、燃調を95%に薄くしたマップで様子を見ながら下道で藤岡まで買い物に来ました。片道23kmです。元の100%マップの方が調子が良いです。普段は電動自転車で来る二八車屋。
近くにドンキもあるので買い物をして帰ります。けっこうジャダーが出ます。
ジャダーが気になるので、クラッチ板の組み直しを初めたところ、1本だけスプリングの固定ネジとロッドが固着して共回りして抜けてきました。一度、ハウジングを分解して、ロッドを高強度のネジロックを付けて戻しました。ハウジングの分解はスリッパクラッチのベアリング玉の紛失に要注意です。
11月14日
MSDroid(MegaSquirtのアンドロイド版)というアプリがあるのでインストールしてみました。接続はUSBケーブルです。Winの10インチのタブレットは大きいので、基本セッティングが終わったらスマホに移行した方が良いです。スマホの画面分割、回転にも対応しています。縦横のデザインが別に設定できます。下は横向きの時です。2120円でProバージョンにできます。TunerStudioのEFIAnalyticsにも$15のShdowDashがあるのでスマホ用の有償版を購入する場合は良く比較した方が良いです。
普段、googleマップを使うのでスマホは縦で使っています。縦向きでは下のようになります。進角ゲージは変です。
機能はTunerStudioとほぼ同じです。マップの表示やログも取れます。下は燃調マップです。ただ、オンボードのSDログはメニューに出てきません。
googleマップと併用で画面分割すると下のようになりました。
下はProバージョンの追加機能です。文言だけなので、イメージしにくいです。
・ダッシュボードインジケータ
・ダッシュボードヒストグラム(ライブで動くグラフ)
・ダッシュボードボタン (任意のサイズと形状のボタンをダッシュボードに配置して、ログ記録や曲の読み込みなどのさまざまなアクションをトリガーできます)
・テーブルエディタインストルメントクラスタ
・テーブルエディタにはズームイン機能があります
・テーブルエディタには補間機能があります
TypeCのL字のOTGケーブルがあると楽に繋げそうなので、アマゾンで購入しておきました。ただ、Speeduinoはデバイスなので、充電しながらは使えないです。ワイヤレス充電できるスマホホルダを使えば解決できそうです。
11月15日
ShdowDashはイマイチ(古い感じ)ですが、MSDroidはなかなか良さそうです。いずれにしても、スマホを充電しながらOTG接続できるようにします。市販品はけっこうな値段なので、今まで使っていたスマホホルダを加工して、100均の1000円のワイヤレス充電器の基板を組込みました。基板の部分のケースを削って厚みが出ないようにします。
ソニーのスマホはコイルが少し下にズレているようで、フェライト?を加工して穴を広げました。センタボタンは2mmネジで厚みを延長しました。OTG接続で充電もできるケーブルも売っていますがスマホの機種依存のようです。因みに、ワイヤレス充電機能の付たホルダは中央にコイルが無いソニーの対応機種が少なく、値段も高いです。後でゴムシートを貼って基板を保護します。
オンボードSDログのメニューがありました。
メニューはありましたが、まだ未対応でした(泣)。
11月16日
MSDroidはスマホ機能でGPS車速や加速度センサがゲージとして使えます。赤枠のように、車速を追加してみました。
2ページ目に高度、緯度経度、方位角、3軸加速度などを追加してみました。
一方、無償版のTunerStudioのゲージのカスタム方法がEFIAnalyticsのマニュアルページに書いてありました。メニューからは下の3つのゲージしか設定できません。
マニュアルページによると、custom.iniファイルで設定をオーバライドできます。mainController.iniファイルをお手本に、下のようにクーラント温度、気温、気圧、バッテリ電圧の設定ファイルを作成します。
再起動すると、設定が反映され、ゲージの範囲が狭く、クーラント温度も油温になって、分かりやすくなりました。気圧はヘクトパスカル(hPa)を指定してみましがダメなので、キロパスカル(kPa)に戻しました。
11月17日
クラッチのジャダ対策でクラッチプレートを組み換えたので、試走していると、油圧スイッチの付近からオイル漏れしました。緑枠のスイッチの取付部からと思います。アルミワッシャが入っているので、一度外して、オイルストーンで研磨してから、増し締めして取り付けました。これで直るといいです。ジャダは前より軽減しました。
11月18日
オイル漏れが直ったか試走しましたが、直ってなくて、どうも緑枠のケースとアルミで作製した、油温センサのアダプタの間から漏れているようです。再度、取り外して増し締めしてみます。
Speeduinoボードに実装されている気圧センサを大気圧センサとして使えるようにします。Speeduinoボード上に実装されている気圧センサはスピードデンシティ用の吸気圧センサとして回路が作られていてA3ポートに接続されてます。スピードデンシティではTPSの代わりに吸気圧センサ値を使います。圧力センサのキャリブレーションダイアログで大気圧センサのポートも赤枠のようにA3に指定します。
続いて、大気圧の幅を決めます。低い方は標高2500mの時に約75kPaです。高い方は今までの最大高気圧は109kPaだそうで、これを元に大気圧マップを作成しました。因みに、下の表はケントのECU化の時に計算した大気圧、標高と係数の理論値です。今回は仮に理論値の半分位で設定してあります。
<<大気圧の補正係数Kp>>
atm=0.8 H=2022m hPa=810.62 Kp=0.80
atm=0.82 H=1820m hPa=830.89 Kp=0.82
atm=0.84 H=1617m hPa=851.15 Kp=0.84
atm=0.86 H=1414m hPa=871.42 Kp=0.86
atm=0.88 H=1212m hPa=891.68 Kp=0.88
atm=0.9 H=1009m hPa=911.95 Kp=0.90
atm=0.92 H=806m hPa=932.21 Kp=0.92
atm=0.94 H=604m hPa=952.48 Kp=0.94
atm=0.96 H=401m hPa=972.74 Kp=0.96
atm=0.98 H=198m hPa=993.01 Kp=0.98
atm=1.0 H=0m hPa=1013.3 Kp=1.0
atm=1.02 H= hPa=1033.5 Kp=1.02
atm=1.04 H= hPa=1053.8 Kp=1.04
atm=1.06 H= hPa=1074.1 Kp=1.06
atm=1.08 H= hPa=1094.3 Kp=1.08
atm=1.1 H= hPa=1114.6 Kp=1.1
atm=1.12 H= hPa=1135.0 Kp=1.12
atm=1.14 H= hPa=1155.1 Kp=1.14
atm=1.16 H= hPa=1175.4 Kp=1.16
atm=1.18 H= hPa=1195.7 Kp=1.18
atm=1.2 H= hPa=1215.9 Kp=1.2
予備ボードの圧力センサに緑枠のようにチューブを接続して、圧力を変化させられるようにしておきます。
TunerStudioを起動して動作確認を行いました。大気圧により燃調が補正されるようになりました。
11月20日
油圧スイッチの油温センサアダプタを作り直します。材料は30mmのジュラルミンのA7075棒です。10mmのP1.0のダイスでおネジを切ります。ネジが真っ直ぐ切れるように旋盤と回転ホルダを使います。こちら側がケース側です。
フライス盤とロータリテーブルで六角加工します。19mmのレンチで回せるようにします。
タップでめネジ加工します。こちらも10mmのP1.0です。こちらに油圧スイッチが付きます。
側面に1/8インチの管用タップでメータユニット用の油温センサのネジを切って完成です。
早速、アルミワッシャをはさんで組み立てました。これでオイル漏れが直ると良いです