ジャンクで目指す
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その6:真空環境の整備


2015年
1月10日
モノタロウで購入の水冷配管用部品が来ました。フローモニタは炭酸ガスレーザの冷却用に使っているものと同じものを選択しました。


先週、凍結して割れた冷却水の取り入れ口の部品を外します。


ホームセンタで交換部品を購入しましたが、ストレートの1/2変換アダプタを買い忘れて組立たず。


ラック側の水冷水の接続です。流量調整バルブー>フローモニター>水冷バッフルー>油拡散ポンプの順で接続しました。


先週の逆流油拡散ポンプに油回転ポンプのオイルが混じったと思われますので一度、オイルを抜き確認します。油拡散ポンプのオイルは透明のはずですが、黄色くなっているのでやはり回転ポンプのオイルが混じっていのが分ります。1Lで約1万円なので75ccは750円です(泣)。


粗引きのリークバルブの先にエアフィルタを追加しました。コンプレッサのレギュレータに入っているフィルタを流用しました。


このフィルタ部はガイスラー管に変更できます。


1月11日
ホームセンタで追加の部品を購入して冷却水取り入れ口の部品交換完了しました。


油拡散ポンプ再洗浄します。熱湯と洗剤ー>スチーム洗浄ー>アセトンの順で洗浄しました。


イオンゲージケーブル作製の準備です。分解したオシロ用のCRTピンが真空計側のメスコネクタに丁度勘合します。ディスクグラインダで分解しました。


ベルジャーシールですが、ベルジャーベースに溝を掘って、フッ素ゴムのOリングを使う予定ですが、ベンさんの動画を見ると黒いシートでシールしていてOリングは使っていません。溝を掘る前に手持ちのシリコンシートでシールしてみます。ホームセンタでシリコンゴムが接着できる瞬間接着剤があったので試してみます。ベルジャーのシール面はすりガラスなので、テスト用のガラスをサンドブラストして、すりガラスにしてからプライマーを塗り接着してみました。軽く引っ張っても外れません。結構、しっかり付いているようです。


早速、1mmのシリコンゴムシートベルジャーに貼ってみました。まだベルジャーベースに排気口がないのでテストできませんが、これで高真空まで使えればいいですが〜



1月17日
イオンゲージケーブルを作製します。ATX電源のコンタクト同軸ケーブルBNCコネクタとCRTのピンを使って、ケーブル作製、完了しました。


オークションで購入した高真空用バルブです。3個で1000円でした。
電源はDC24V継手はVCRです。分解してみます。ソレノイド部とバルブ部に分解でき、バルブ部はステンレス一体です。VCR継手をつぶして、別の継手を溶接できそうです。油回転ポンプの自動リークバルブを作る予定です。


1月18日
ベルジャーベースに排気口を開ける準備です。ベルジャーベースは大きくフライス盤に固定できないため、ジグを作製します。20mm厚のA6063の板から簡易コンタで棒を2本切り出し、10mmのタップでネジを切り、固定用の17mmのソケットが入る沈め穴加工をCNCで切削しました。


ジクが完成。右はジグをフライス盤に固定したところです。こちらの固定ボルトも10mmです。


ジグにベルジャーベース固定し、原点を設定します。


延長接続部の内径と同じ47mmの穴加工をCNCで行います。25mm厚を1.5mmづづ切削していきます。右は穴が貫通したところです。


早速、ラックに置いてみます。


ベルジャー内を真空にしてみます。ベルジャーが割れて縮爆すると危険なのでベルジャーにはジャンパをかけ、保護メガネをかけて油回転ポンプを起動します。ベルジャーにはガラスの斑がけっこう多くありますが、大丈夫なようです。少し怖いですね〜


シリコンのシール中真空では機能しているようで、いつもの圧力まで下がりました。メータは振り切れています。大気圧から左の状態になるまで約3分半かかりました。因みにベルジャーの容量は18Lです。


ベルジャーベースには延長接続部油拡散ポンプがぶら下がっています。ベルジャーベースと延長接続部の組み立てる時に持ち上げながらベルジャーベースにネジ止めするのは重くて大変なのでスペーサを作製します。


ナイロン端材があったのでこれを使います。ヒータの断熱は車のマフラに入れる消音材グラスウールを使います。なんかチクチクします。


ナイロンスペーサの厚み調整して油拡散ポンプの下に敷きました。これで分解と組立が楽にできます。



1月24日
この週は土曜のみの作業でした。イオンゲージと干渉しそうなので分解したついでにメインバルブハンドルの位置を奥に移動しました。


油拡散ポンプの加熱テストをしてみます。オイルを75cc入れます。


油拡散ポンプの本体の胴体一番下と水冷配管の温度スイッチプレートの2カ所の温度を測ります。400V−>200Vのトランスを使って、ヒータに200Vを配線します。


ベルジャーと油拡散ポンプ内を油回転ポンプで粗引きしヒータに通電します。30分後に胴体の下で175℃温度スイッチプレートは18℃になりました。音もせず、粗引き側の熱電対真空ゲージの値も変化ありません。ベルジャーベースにイオンゲージを取り付けないと本引きしているのか分りません。


点火ブラグ(フィードスルー)の漏れテストも兼ねて、ベルジャ内でフィラメント(電球)を点灯してみます。10mm(1mmピッチ)のタップでネジを切り、点火プラグを1個取り付けます。GND側はベルジャーベースにします。


車用の12Vの18Wの電球のガラスを割ってプラグに配線します。ベルジャー内では半田付けはなるべく使わないようにします。配線はネジ止めより合わせです。


フィラメントに電源を接続します。


ベルジャ内をいつもの粗引き圧力にします。点火プラグの取り付け部からの大きな漏れはないようです。左は6Vで点灯したところ。右は12Vで点灯させたところです。この電球はハロゲンランプですが、ハロゲンガスが無い中真空では本来の寿命よりだいぶ短くなると思われます。


このベルジャは非常に持ちにくく、落して割りそうです。100円ショップで購入しきたシリコンシートを貼ってみました。滑りにくくなって持ちやすくなるのですが、中が良く見えなくなるのでイマイチでした。ベルジャーの上部に取っ手を付けた方が良さそうです。