ジャンクで目指す
走査型電子顕微鏡のページ
その7:真空環境の整備
2015年
1月31日
イオンゲージをベルジャーベースに取り付ける準備です。熱電対真空ゲージも取り付ける予定なので、排気口から少し離して位置を決めます。
ベルジャーベースは買った時のままでバリがあるので、怪我をしないうちに、面取します。
イオンゲージ用の穴をCNCで加工しました。
オークションで購入した3インチのオシロ用CRTです。1個500円で3個購入しました。
固定用のネジを切ってイオンゲージをベルジャーベースに固定しました。いつもの圧力まで下がりました。大きな漏れはないようです。
早速、粗引きの圧力でフィラメントを点灯してみます。正常であればフィラメント点灯後、そのまま点灯し続けるはずですが、スイッチを離すと消灯してしまいます。真空計のメータの指示は振り切れていてます。この振り切れ方が異常で、イオンゲージを配線していない時と同じです。メータのプラス側にかなり電圧が出ているようで、壊れそうな勢いで振り切れます。どうやらイオンゲージの回路は壊れているようです(泣)。
真空計の中の基板です。熱電対真空計はディスクリートですが、イオンゲージの回路は電源とリレーと黄色の丸のカスタムICで構成されていてます。ディスクリートであれば回路を追えるのですが〜困った。新しく、ジャンクで購入するのであれば回路が追えるように取説や回路図がWEBで公開されている物がいいです。
2月1日
3インチのオシロの蛍光面を分解します。初めに上の位置に電動リュータで穴を開けたのですが、空気がCRT内に勢い良く入ったため、管面の蛍光物質が飛んでしまいました(泣)。気を取り直して2本目はソケットの方に穴を開けました。
以前と同じタコ糸法で加速、偏向部と管面に分解でしました。何回やってもキズの所できれいに割れません。
ベルジャーベースに3インチと5インチの蛍光面を載せてみます。やはり5インチは大きすぎでした。実験は3インチの方が良さそうです。加速、偏向部は5インチを使い、蛍光面は3インチを使うと良さそうです。
WEBの通販で購入した0.1mmのタングステンワイヤです。10mで3000円でした。
早速、粗引きの圧力でタングステンワイヤの点灯実験をしてみます。電圧は3.6Vです。ちなみに真空でないとほんの10秒くらいで焼き切れます(笑)。
ベルジャーが持ちにくいので上部に取っ手を付けます。手持ちでポリプロピレンの丸棒があるのですが、接着しにくい材料です。ホームセンタでポリプロピレンも着く両面テープを購入してきました。
CNC旋盤で接着面の曲面を切削します。QCADで図面を書き、1.5mmずつベルジャーの形状に合うように切削します。CNC旋盤はたまにしか使わないので操作方法を忘れていました。右は切削が終わったところ。
両面テープを少し貼って〜
ベルジャーに載せてみます。曲面は良さそうです。次回、接着の強さを確かめて取っ手の部分を削ります。
2月7日
ベルジャーの取っ手の続きです。持ちやすいように手動で削りました。放射状に両面テープを貼り〜
ベルジャーに圧着して取っ手の取付完了しました。夏でも取れないか要確認です。
モノタロウで購入した自動リークバルブの部品です。真空バルブはVCR仕様で部品を購入すると結構な値段なので管用ネジを溶接して普通に取り付けできるようにします。3/4ホースニップル、1/4ソケットと1/4長ニップルです。セラミック角板は別用途のフィラメント用の絶縁ベースです。
真空バルブを分解します。Oリングをなくさないように気をつけます。Aポートが低圧側です。最大動作圧力は0.3MPaです。
4つ爪で掴んで、センタを出して、Aポート側のVCRネジを1/4ソケットが入るまで削ります。
油圧プレスでソケットをバルブに圧入しました。
2月8日
自動リークバルブを取り付けるL字ニップルを作ります。3/4ホースニップルのネジ部を旋盤で削り、ディスクグラインダで45度に加工します。1/4の長ニップルは適当な長さに切りました。面取りして部品が完成しました。
L字ニップルと1/4の長ニップル、真空バルブとソケットをTIG溶接しました。シールテープを巻いてL字ニップルとバルブを接続します。
早速、油回転ポンプに取り付けてみます。今までホースを90度曲げていたので、L字ニップルで無理な力がかからなくなりました。
自動リークバルブの電源です。トランス、ブリッジ、6Pトグルスイッチとも手持ちがありました。
ここで問題発生!自動リークの実験中にオイル逆流しました(泣)。手動で通電してリークの調子を見ていたのですが、リークし忘れで少し時間が経ってしまい、少し逆流しました。以前より被害は少なく、熱電対真空ゲージ、油拡散ポンプは無事で、配管のみでした。一度分解して、お風呂で熱湯とスチームクリーナで洗浄しました。
配管を再度組立して、リークバルブに電源を接続します。回路は単純でトグルスイッチで油回転ポンプとリークバルブが排他的に動作するだけです。フィルタは合うホースが無くて次回取り付け予定です。
再組立後、いつもの圧力まで下がるようになりました。分解、洗浄すると30分くらいポンプを回さないといつもの圧力まで下がりません。油回転ポンプを停止すると自動リークバルブが開き、自動的にリークするようになりました。難点は通電で真空バルブが開くので、元電源を切ってしまうとオイルが逆流します。必ず追加したスイッチで操作する必要があります。
真空機器の電気部をまとめて入れる19インチケースを購入しようと探していたのです
が、ガレージに良い物がありました。昔使っていたCNCフライスの制御用のPCです。CPUはペンティアム133MHz位のやつだったと思います(笑)。総アルミ製の19インチのPCケースで、軽いです。フロントパネルの交換用のアル
ミ板も丁度良さそうな大きさの物がありました。中身を全部とってフロントパネルを作り替えれば、大きい19インチケースができそうです。
2月14日
以前、イオンゲージのピン配置で参考にしたイオンゲージ真空計がEbayに出ていたので購入してみました。まだ来ていませんが、送料込で1万5000円くらいでした。メーカはGRANVILL−PHILLIPSで260という型番です。WEBに取説(回路図、メンテナンス含)があり、壊れても直せそうです。中真空も測れますが、センサは熱電対真空ゲージではなく、白金線をブリッジでセンスするピラニセンサを使います。Ebayではこのセンサも買えますが、とりあえず、本体だけ購入しました。状態は”動いていた機器から取り出したんだけど、検証する手段がないので動かなくてもしらないよ”というものです(笑)。
19インチラックの続きです。中身を取って分解しました。中身のPCのCPUはペンティアムの200MHzでした(笑)。右は前後のアルミパネルにケガキを入れたところ。
自動リークバルブにホースを延長してフィルタを取り付けました。
油回転ポンプのモータと油拡散ポンプのヒータはSSRでスイッチする予定です。手持ちで使えそうなSSRです。白い方は5Aで制御側がAC100Vタイプ。
簡易コンタでアルミパネルを切り、ベルトサンダで外形をきれいにしてから、穴加工をして仮止めしてみました。ワイヤラックに載せて、上に真空計を載せてみました。
奥行はぎりぎりで載りました。右は背面から見たところ。
先週、モノタロウで購入したセラミック板に2mmの穴を2個開け、ステンレスのキャップボルトでタングステン線を固定してフィラメントの試作を作りました。セラミック板はかなり硬かったです。ガラス板より硬いような気がします。エアリュータとダイアモンド電着ビットで水を付けながら、少しづつ穴開けしました。別に固定用の穴も開ける必要があります。
中真空で点灯試験をしました。フィラメントの先はもっと尖っていた方が良さそうです。
19インチラックのパネルをホームセンタで買ってきた艶消し黒の缶スプレーで塗装しました。気温が低いのでバケツにお湯をくんで、スプレー缶を暖めながら塗装します。右は塗装後に仮組したところ。
熱電対真空ゲージをベルジャーに固定する金具をCNCで切削します。切削方向を間違えて時計周りしてしまいました。ちょっと失敗。
VCR−NW25アダプタ、Oリングサポートと合わせてみます。次回、金具とベルジャーに穴あけをしてゲージを取り付け予定です。