ジャンクで目指す
走査型電子顕微鏡のページ

その8:真空環境の整備


2015年
2月21日

Ebayで購入した新しいイオンゲージ真空計が来ました。梱包を解いてびっくり〜買ったものとは違うGranvillePhillipsの270という型番です。260のはずが上位機種に、さらにオートゲインセットポイント付でした。送り主が何か間違えたみたです。260用のセンサを同時に購入しなくて良かったです。


この270の取説(回路図付)もWEBにあり、早速ダウンロードしてイオンゲージのコネクタに信号名を書いておきます。このコネクタに刺さるピンの大きさが前のものより太く、太さが2種類あるのでギボシ端子とエアリュータの砥石のを使ってケーブルを作製しました。


ベルジャー内をいつもの圧力まで粗引きして油拡散ポンプを駆動します。30分で油拡散ポンプのケース下で166℃になり。サーモプロテクタプレート(冷却水温度)が16℃になりました。


フィラメントを点灯します。正常にフィラメントが点灯し保持されます。


イオンゲージのメータ表示3x10−4(Torr)、パスカルでは約3x10−2(Pa)です。目標はー4乗オーダですが、短時間でもー3乗オーダは到達すると思われ、10倍高いです(泣)。イオンゲージの感度が合っているかという問題もありますが、可能性としてはどこからか漏れている、あるは真空計がずれている。油拡散ポンプの性能が出ていないという可能性があります。


2月22日
ベルジャーのシールにグリスを塗ったり、配管をまし締めしてみましたが状況は変わらず。一番面積の大きいベルジャーのシールが怪しそうなので、ベルジャーの代わりにジグを作製します。1インチ厚のアルミ板を130mm四方に切って、中央にゲージポートを接続する穴をCNCで加工しました。


Oリングを介してジグにゲージポートを固定して、さらに延長接続部に固定しました。


早速、粗引きしてから本引きして、再度イオンゲージで測ります。上記と同じ3x10−2(Pa)で同じでした。ベルジャーのシールで漏れているのでは無さそうです。



2月28日
漏れ調査の続きです。下はドンキで購入してきた、エアーブローです。左はHFC−152A、右はDME/CO2の物です。イオンゲージで圧力が測れる場合は漏れている所にエアーブローを吹きかけると圧力上がるはずです。


いろいろと試してみましたが、どうもイオンゲージ用のゲージポートのフランジとテーパースリーブの溶接の所で漏れているようです。


定常の3x10−2(Pa)から8〜10x10−2(Pa)に敏感に反応します。ゲージのOリングやフランジのOリングでは無いようです。


油拡散ポンプの予備運転時間の確認に100円ショップのキッチンタイマーを使っています。安くて便利なのですが、ガイスラー管の9KVネオン電源の近くで使うと勝手に動いたり、リセットしたりします(笑)。まあ、100円ですから許せますが〜


新しい真空計に付属していたアクセサリコネクタです。イオンゲージ用コネクタは付属していたのですが、熱電対真空ゲージ用のコネクタが無いため、仕様を調べました。ピッチは4mmでした。


母屋の押入れから発見された汎用アンプです。テラダインのオペアンプモジュールが載ってます。高校生?の時だったかハムフェアか何かで1個100円で買った覚えがあります(笑)。


これの後ろに同じ4mmピッチのエッジコネクタが付いていました。早速10ピン用にカットしてプラスチック板を挟んでずれ防止します。


ゲージポートの漏れ補修をします。はじめに裏側から追加溶接しましたが、状態は変わらず。その後、外側からも溶接しましたが、この時点で余計に悪くなりました。ぎりぎりイオンゲージが使えるか使えないかの圧力(−1乗Paオーダ)で、がんばって時間をかけるとイオンゲージのフィラメントが保持します。ガイスラー管の方が良くわかる圧力です。ガイスラー管+アルコールで漏れ箇所の特定をしようとしましたが、どこにアルコールを付けても圧力変化無しで特定できませでした。


3月1日
漏れの続きです。延長接続部にフタをして、ガイスラー管で確認します。延長接続部までは問題無しでした。下記の状態ではガイスラー管がかすかに放電している状態まで下がりますが、ゲージポートを付けると薄白で明るく放電します。やはり、ケージポートで漏れているようです。今まで、ステンレスでは大きな漏れがなかったのでゲージポートステンレス再作した方が良さそうです(泣)。モノタロウでステンレスの70mm丸棒を注文しておきました。ステンレスは加工している間に硬くなるので嫌なんですが〜


熱電対真空ゲージコネクタシェルがありません。引き抜きやすいようにワイヤをループにして付けておきました。早速、ケーブルも作製しました。熱電対真空ゲージも前の物は使えず、別に入手する必要があります。DV−6xと いう型番でEbayで中古がすぐに買えます。継手は今使っているものと同じ物を探す必要があります。新しい真空計はセットポイント機能もついてい るので、設定した圧力でリレーを駆動したり、熱電対真空ゲージの設定圧力でイオンゲージのフィラメントを自動で点灯したりできます。



3月7日
先週のゲージポートの漏れのガイスラー管の写真を撮り忘れていたので、再確認します。粗引き後、左はケージポートにイオンゲージを付けてメインバルブを開いた時、右はメインバルブを閉じた時です。双方とも熱電対真空計は振り切ってます。


オークションで購入したネオンのパイロットランプです。最近あまり見なくなりました。100V通電確認用です。


秋月電子の購入品です。K型熱電対サーミスタ温度計PINフォトダイオードLR44電池。フォトダイオードは樹脂を削ったら電子を直接検出できないか実験してみたいです。


モノタロウの70mmステンレス棒。無垢からゲージポートを再作製します。アルミの無垢も考えましたが、引き抜き材は引き抜き方向に微小な巣が入ることもあるようなので、熱間圧延のステンレス棒にしました。


Ebayの新しいNW25継手の熱電対真空ゲージとヤフオクの10MΩボリューム


早速、ステンレスでゲージポートを再作します。まず、Oリングの溝加工、ひっくり返して、フランジを残して他を削ります。


3月7日
続いて、呼び1インチの袋ナットが嵌るネジ部の外形を加工します。


ネジを切ります。1インチに11山です。以前と同じやり方でハーフナットは外さず、エプロンを往復させます。かなり時間がかかります。スムーズに嵌るまで少しづつ削ります。一度、切込過ぎてカミました。ステンレスは難しいです。


この状態で漏れ試験をします。ガイスラー管の放電状態はメインバルブを閉じている時と同じで問題ありません。


イオンゲージが入る穴加工を加工します。15mmのドリルでセンタ穴開けして、中ぐりバイトで1インチまで広げ、端面のOリング面をテーパ加工します。


ベルジャーに取り付ける前にテストジグで検査します。粗引き後、20分くらい本引きして、4x10−5(Torr)まで下がりました。パスカルだと約4x10−3(Pa)です。ようやくー3乗オーダに入りました。今日は遅くなり時間切れ。次回、時間をかけてさらに圧力が下がるか確認します。分子流領域(ー2乗Pa)を超えたあたりから、圧力の下がる割合が非常にゆっくりになります。詳しくはここを参考してください。