ジャンクで目指す
走査型電子顕微鏡のページ
その10:予備実験と装置の製作
2015年
4月4日
先週の続きです、フィードスルー代用プラグを6個に追加したベルジャー内を本引きしてみました。6x10ー3(Pa)です。目標はー4乗(Pa)でしたが、これで真空環境の整備は完了とします(笑)。
予備実験と機器を作っていきます。オークションでジャンクの高圧電源を購入しました。
欲しかったのは小型スライダックとその他の小物です。オムロンの通電時間カウンタ、電圧、電流計、スイッチなど。電流計は大きすぎました。
19インチラックのパネルにスライダックの100mmの大穴を開けます。ガレージのCNCフライスで一度で開けられる最大の大きさです。
早速、スライダックを固定してみます。電源スイッチとパイロットランプも追加しました。
4月5日
近所のホームセンタで購入したステンレスの6mmの全ネジです。ベルジャー内のステーに使います。
Ebayで購入した630Vの4.7uFのフィルムコンデンサです。
早速、コッククロフト回路を作製します。630Vのコンデンサを直列に接続して耐圧を2倍に上げます。とりあえず10段です。
ジャンク品から外したスライダックと以前に購入してたあった高圧トランスに10段コッククロフト回路を接続します。高圧トランスのタップは336Vを使いました。コンデンサには入力電圧の2倍がかかります。1.05*336*1.41*1.3=647V、少しオーバしてる(笑)。
左はスライダックが100Vの時、右は130Vの時です。1.05*336*1.41*10=約5KV、1.05*1.3*336*1.41*10=約6.5KVで合ってます。
貯まった電気は放電しないと危ないので1MΩでショートします。抵抗のリード線を近づけると空気中で放電します。時間を置くと少し電圧が復活?してくるみたいで、触ると感電します(笑)。
10段の動作が問題なさそうなので16段にしてみます。
16段ではスライダックが100Vの時が8.7KV、130Vの時で11.1KVになりました。結構、怖いです。これは実験用に使いますが、最終的には安定化させないといけません。
秋月のサーミスタ温度計を2個、19インチラックに組込ます。パネルに手動フライスで角穴を開け温度計を取り付けます。作業をしていると、だんだんパネルの塗装にキズが付いてきました。再塗装が必要です。
4月11日
先週の続きです。ばらばらの電気系を19インチラックに収納していきます。油拡散ポンプのヒータ用温度計です。2mm厚の黒アクリルに表示LCDの穴あけを行い、パネルにも同じ大きさの穴をあけます。
続いて、通電時間カウンタの取り付け穴です。
ここから購入品。ネット通販で購入したPINフォトダイオードです。10x10mmの面積で保護用窓の無いタイプです。反射電子の検出に使えないか実験してみます。反射電子検出用の専用フォトダイオードも存在しますが価格が高いです。半導体の表面には普通パッシベーションという保護膜があるのですが、これが問題になるかもしれません。
モノタロウのフィラメント用の電源トランスです。
秋月のフィラメント用の安定化電源キットと高圧電源(加速電圧)用のパネル電圧計です。
スライダックの上にパネル電圧計の取り付け穴をあけました。
先週、加工したサーミスタ温度計と通電時間カウンタをパネルに仮止めしてみました。
真空/電子顕微鏡のACは3Pのテーブルタップを使っていますが、アースが無いので追加します。ガレージの表側、向かって左側にアース棒を刺しました。
4月12日
安定化電源キットを組み立てて、動作テストを行いました。入力は12Vで出力は0〜4V、2〜3Aです。
真空/電子顕微鏡用のテーブルタップにアースを接続しました。
パネルは再塗装をして、部品を仮止めしてみました。スイッチなどの小物はまだ追加する予定です。
4月18日
モノタロウで購入の端子台です。
こちらはオヤイデの通販の高圧ケーブル。
リアパネルに端子台用の長穴加工をして、端子台とSSRを取り付けました。黄色いコネクタは熱電対用です。
内部の配線を追加していきます。
4月19日
秋月の安定化電源キットを組み込みました。フィラメント電源です。
4月25日
温度計が3つ揃ったので室温を測りました。熱電対はハンダこて用なので下の方は精度が良くないみたいです。
Ebayで購入したJEOL製電子顕微鏡用の2次電子検出器です。予定よりかなり遅れて到着しました。ケーブルはコレクタ用、シンチレータ用高圧、信号出力、信号バッファの電源です。
網(コレクタ)の中に見える円形のものがシンチレータです。蛍光はP47と思われます。
先端部を取り外すと浜松ホトニクスのR647が出てきました。
シンチレータディスクを取り外しました。蛍光面は触ると取れてしまうので慎重に扱います。少し蛍光塗料がはがれているところがあります。90年の初めのころに製造されたよなので、こんなもんでしょう。シンチレータディスクは消耗品なのでアメリカの通販で購入できると思います。
シールドを取り外すとライトガイドが出てきます。ケーブルの先端に付いている金属はシンチレータに高圧をかけるリングです。
19インチラックの内部に配線を追加していきます。
通電時間カウンタはフィラメントの電源に接続しました。タングステンのフィラメントの寿命は約50時間です。
リアパネルに取り付けたSSRで油回転ポンプのモータを試運転してみます。問題ないようです。