ジャンクで目指す
走査型電子顕微鏡のページ
その3:真空環境の整備
2014年
11月8日
前回までヤフオクで購入したジャンク品の油回転ポンプを修理してきましたが、油拡散ポンプの要求仕様に予備ポンプの排気スピードがあり、これが5000L/H以上である必要があります。前回のポンプは50L/minで時間に直すと3000L/Hで容量不足で
す。完全に見落としていました。また圧力も思ったように下がらないため、新たにヤフオクでジャンク品のポンプを購入しました(笑)。今回購入したものは競ってしまい価格が上がってしまいました(泣)。以前と同じベルト駆動型です。モータは少し大きくて300Wです。佐藤真空製のTSW−100で排気速度6000L/Hです、到達圧力は6.7eー2Paです。
ポンプの排気口からのぞくとなにやら錆びてますが、今回はプーリはスムーズに回ります。
中が錆びたままというのもなんなので、分解してみます。前面のボルトを外すと簡単に分解できます。ガスケットも切れずにそのまま使えそうです。ケース内のポンプ本体は錆がだいぶ浮いているのでワイヤブラシできれいにします。
ポンプの外側ケースはアルミ製で上部にミスト避けの鉄板が固定されています。これが外から見えていた部分です。これもワイヤブラシで磨きました。
錆を落とした後、灯油で洗い組み立てます。排気口は1/2の管用ネジが入り、手持ちのニップルを取り付けました。
早速、オイルを入れて回してみます。吸入口の直径が23.5mmで前回の真空ホースでは細すぎて入らないため、エアリュータで少し加工して取り付けました。ブルドン管真空計は前回と同様に振り切れます。ここまで順調。
次は熱電対真空ゲージで測ってみます。5mTorr=0.5Paで仕様の10倍くらいの値を示しています。仕様では0.067Paです。ヒータの電流は200mAのままです。これが真値なのか、基準になるものが無いので不明です。そこそこまで行っていると思います。
今回のポンプは元気が良く、排気口からオイルミストが出ます。このポンプは現在でも売られていて、専用のオイルミストトラップも買えますが価格は1万円と高くとても買えません(笑)。何か代替え品を探しているとガレージにシ
ビックのオイルフィルタがあり、1/2の管用ネジが1周ほどはまります(笑)。オイルは周囲の穴から入って、中央から出てきますので、今回は流れが逆です。オイルフィルタはオイルが逆流しないようにゴム製の弁が付いていて、このままで
はエアが通りません。アルミの棒をコの字に加工し、穴に刺して空気が通るようにします。
ポンプに取り付けるとこんな感じになります。フィルタに捕まったオイルは多分、そのまま下に流れて来ると思われます。何かオイル受けになるものは無いか探していると〜
ポリプロピレン製ノズル付容器がありました。これを1/3に切り、ノズルの部分を切って穴を広げゴムのグローメットを挟んで共締めします。
オイルミストトラップ完成しました。これで容器内にオイルが溜まるはずです。
油拡散ポンプと油回転ポンプを繋ぐL字アダプタを作製します。3/4ニップルを切断して円型のふたの部分と油
拡散ポンプの排気側に付いていたホースアダプタを加工して溶接します。ここでガレージの三相インバータが故障し、コンプレッサや旋盤などが使えなくなりました。ガレージページ参照。
ニップルの穴をホースアダプタの外径まで広げたかったのですが、エアリュータも使えないため、とりあえず、ふたの部分を溶接しました。溶接の電源は発電機なので
インバータが無くても可能です。
11月15日
モノタロウでチームクリーナを購入してみました。価格が安い順にソートして初めに出てきたやつです(笑)。水冷バッフルをクリーニングしてみます。見える所のベトベト感は無くなりますが、隙間は少しオイルが残っている感じがします。
こちらもモノタロウで購入の内径18mmの真空ゴムホース。
これもモノタロウの粗引き用のホースニップル、ティー、リーク用バルブ。Oリングは延長接続部とベルジャーベース用です。
オークションで購入したネオントランスが来ました。右はホームセンタで購入した100Wの白熱電球とソケットです。
ネットの通販で購入したガイスラー管。ポート径は15mmです。ここで購入できます。
11月16日
粗引き用の熱電対真空ゲージの継手を作ります。3相インバータが壊れてガレージで機械類が使えないので、延長接続部のフランジの作製を中断して12mmのステンレスからNPT1/8の継手を作ります。8.5mmで下穴をあけて、手持ちのタップでネジを切ります。下穴が8.5mmだと、タップがあまり進まないうちに回せなくなるので9mmで開け直しました。12mm厚の2/3くらいまでネジが切れました。
熱電対真空ケージを継手に仮止めしてみます。継手は3/4のティーに溶接予定です。
ガイスラー管の動作確認です。真空ホースを内径の細い方に戻して、ガイスラー管を挿します。ここを参照して、ネオントランスに保護用の白熱電球を直列に入れ、2次側は直接ガイスラー管に接続します。
圧力が低くなると発光が弱くなるので、夜になってから撮影しました。ガイスラー管に電圧をかけてからポンプを駆動します。左はそのままポンプを動作させた時、右はバラストバルブを少し開けてポンプを駆動後、電源を切った後で少しづづリークするようにした動画です。ここによるとガラス全体が蛍光を発するのは1Pa以下とこのことです。この圧力であれば油拡散ポンプの起動ができます。
11月22日
デジカメを忘れて、スマートフォンで写真を撮りました。VCR継手は中古がみなかなか見つからないので新品を購入しました。フランジはNW25です。センタリングとクランプ、VCRガスケットも購入しておきました。右はアングルバルブにクランプで仮止めしてクランプの具合を確認したところ。
先週からの続きの油拡散ポンプと油回転ポンプを繋ぐアダプタです。3相インバータを新規購入しましたので、エアリュータが使えるようになりました。穴を合わせて溶接しました。少し盛り過ぎました(笑)。
11月23日
こちらも、先週からの続き、熱電対真空ゲージのNPT1/8の継手をティージョイントに溶接しました。
出来上がった粗引き用部品をテフロンテープでシールして組立て、エア漏れを確認します。バルブを閉じて油回転ポンプを駆動。真空計は5mTorr=0.5Pa以下です。大きな漏れはなさそうです。
油拡散ポンプにアングルバルブと粗引き用の部品を仮組立してみます。ストレートのニップルが長くアングルバルブの位置と合いません。
ベルジャーベースと接続する、延長接続部のフランジです。フランジの大きさを130mm−>105mmに一回り小さくすることにしました。内側に7mmの穴を6個開け直しました。
11月29日
短い3/4のニップルをモノタロウで購入しました。分解しやすいように6角部付です。ベルジャーベースに接続するフランジの寸法が小さくなったのでサイズの小さいOリングを買い直しました。
早速、短いニップルで組立しました。ポンプに繋げて漏れテストを行い、以前と同じ値まで下がることを確認しました。リークバルブの先に細い方の真空ゴムホースを介してガイスラー管が接続できます。
ベルジャーベースに接続するフランジです。3相インバータが新しくなったのでバリバリ削ります(笑)。内径を50mmまで大きくして、段加工を行い、Oリング用の溝加工します。
外側の余分な部分の切り落としに苦労しました。プラズマカッタで大まかに切断して、旋盤で外形を加工しました。溝にOリングを嵌めてみます。良いようです、フランジ完成しました。延長接続部との溶接はアルゴンがガス欠のためガス待ちです。
11月30日
アングルバルブに接続する、NW25継手のゴムホースアダプタをアルミ5056材で作ります。初めにNW25の外形を削ります。
続いて、センタ穴加工します。
次は突っ切りです。CNCモータドライバの内部クロックを使って超低速で突っ切ります。
ひっくり返して、センタリング用の段加工します。
ホースアダプタのNW25継手部分が完成しました。センタリングを入れて、クランプで止めてみます。いい感じです。次回はホースアダプタを作製して、アルゴンが来れば溶接します。